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対照的な震災国債の日銀引受に関する新聞の社説

 東京新聞は5日の社説で「震災復興策を考える 青写真と手法を早く」と題し、東日本大震災の復興策を論じていたが、この中に日銀の国債引受に関する主張があった。

 国債の日銀引き受けに関して、まず財政法は国会議決があれば引き受けを禁じていないとし、その例として、日銀は財務省と合意のうえで償還期限が到来した保有国債について毎年、借換債を引き受けてきたとある。また、それでインフレになったわけではないとも指摘している。

 これは、以前にこのコラムの「禁じられた日銀の国債引受の例外」で解説したが、国債の日銀乗り換えのことであり、2011年度は11.8兆円を予定している。しかし、これはあくまで償還されるものの見合いで1年間だけ短期国債(借換債)を引受けるもので、中長期の国債を直接引き受けているわけではない。財政規律を意識したものであることで、これはインフレを誘発させるものでもない。これを行なっているから、日銀による国債引受は禁じ手ではないと主張するのはおかしい。

 さらにこの社説には「日銀が財政出動に伴う円高を避けるためにも、引き受けか市中国債の買い入れ増額を決断する。いまは、それほどの非常時である。」とある。「財政出動に伴う円高」とはどのような意味なのかがわからない。国債の市中消化が難しくなり、日銀による国債引受を行うしかないとなれば、急激な円安を伴うはずである。この東京新聞の社説の内容は、一部のリフレ論者がこれまで主張していた意見を色濃く反映しているものであるように思う。

 これに対して6日の毎日新聞の社説は、「震災国債 日銀引き受けを排す」と題したものであり、「非常時には平時とは違った対応が必要だ。それは分かるが、何をやってもいいということではない。日銀引き受けには反対だ。」としている。「国の財政が規律を喪失すれば国債は危険極まりない金融商品になる」との意見もあり、まったくその通りであると思う。

 ただし、最後の方に「いまのところ、与野党とも日銀引き受けに賛成する政治家は少数派らしい。」との表現があった。これは私も少数派とみられる、として断定的に判断はできない状態にあるが、政治家との接触も多いマスコミだけに、このあたりもう少し具体的に政治家にもヒアリングしてもらいたい。

 日銀による国債引受のように、かなり専門的な知識の伴う話題であり、非常にリスクの伴うことについて、新聞社の意見を述べる場の社説において主張するのであれば、マスコミの影響力の大きさから鑑みて、取扱には細心の注意と配慮を持って行ってほしいと思う。


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by nihonkokusai | 2011-04-07 08:21 | 国債 | Comments(0)
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