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特例公債法案の成立の目処立たず、財政への危機意識強まるか

 来年度予算案は衆院本会議で民主、国民新両党の与党などの賛成多数で可決され、参院に送付された。来年度予算案は、憲法の規定により参院送付後30日で自動的に成立するため年度内成立が確定する。

 しかし、特例公債法案など歳入に関する予算関連法案については、衆院再可決に必要な三分の二の議席に届かない状況にあるため、民主党は採決を先送りする方針と伝えられている。これにより、特例公債法案が年度内に成立しない可能性が極めて高まった。これまでこのコラムでは、特例公債法案が年度内に成立しなかった際の資金繰りやその影響について見てきたが、これをきっかけとして国民による財政危機への認識を高めることはできないものであろうか。

 6月あたりまでの猶予期間はあるにせよ、特例公債法案が成立しない限りはその後の資金繰りについてはまったく目処は立っていない。国債の来年度の総発行額は約170兆円の予定となっている。特例国債が発行できずともそれを後回しにしておけば、国債入札さえ淡々とこなせば資金繰りには問題はないとの見方もあるかもしれない。しかし、財政規律上、国債の借り換えのための資金などを一時的にせよ予算に回すなどといったことが許されるはずもない。もちろん埋蔵金などで一時的に補うこともできない。来年度予算で資金をやり繰りできる金額は予算で定められた20兆円でしかない。

 現時点では特例公債法案が成立する見込みは全くなく、そうとなれば、財務省証券と一時借入金による20兆円以内のやり繰りそのものも行って良いものなのかという問題も出てこよう。つまり、借金の目処が全く立たない状態で新年度入してしまう可能性がある。これは国として本来非常事態のはずであるが、国民による危機感は薄い。そうは言っても何とかなるだろうとの意識が強いのであろう。

 ここは無理に資金繰りなどをせず動向を見守ることで、リスクは伴うが国民の危機意識を高めさせた方が良いのではないかとの声も出ている。現在の日本の財政の状況では、いずれ新規財源債の発行そのものが困難になる危険性がある。そうなった際には、どのような事が起こりうるのかを今回示してくれるかもしれない。たいへんなリスクを伴うが現状、ショック療法も必要なのかもしれない。それにより国民の危機意識が高まり、その上で本格的な財政再建が行われるのであれば。


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by nihonkokusai | 2011-03-01 08:47 | 国債 | Comments(0)
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