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特例公債法案の年度内成立を断念、その影響は

 23日付の読売新聞によると、政府・与党は2011年度予算関連法案の中核である特例公債法案の年度内の成立を断念し、衆院での採決についても4月以降に先送りする方向で調整に入った。

 同法案が早期に否決された場合には菅首相の退陣や衆院解散・総選挙が早まる可能性があるとみて、政府・与党は法案処理の先送りが必要と判断したためとも伝えられた。さらに4月の統一地方選後に改めて公明党などに協力を求め、成立の道筋を探る方向で検討に入ったそうである。特に東京都知事選の行方次第といった面もありそうである。

 しかし、政府・与党はかなり危険な賭けに出たと言わざるを得ない。もちろん反対した野党の責任も大きいが、いくら資金繰りからは6月末あたりまでは大丈夫とはいっても、予算執行に大きな影響を及ぼしかねない。

 2008年には民主党が野党として政府の予算案に反対する立場から、特例公債法案にも反対を続け、その結果、特例公債法案が年度内に可決されなかった。この時は衆院で与党の三分の二以上の多数で再可決され、成立したという経緯がある。しかし、今回は特例公債法案の再可決の目処すら立っておらず、成立そのものの目処も立たない状況になっている。

 債券市場では現状、特例公債法案の行方については特に材料視しておらず、むしろ予算執行に影響が出ることで景気の足枷ともなりうるため、株式市場が下落するようなことになれば、買い要因との見方もある。しかし、国債そのものの信認低下といった問題が出てくる可能性もありうる。

 それでは、もし新年度入りしても特例公債法案の成立の目処がまったく立たないような状況に追い込まれた際には、どのような状況に陥るのか。クリントン政権時の米国がひとつの事例として参考になるかもしれない。

 1995年、クリントン政権と野党共和党の対立は激しくなり、その結果、米国での新年度開始の10月になっても予算案が可決できなかった。このため政府職員を一時帰休させたり政府機関を数週間閉鎖するなど、政府が11月と12月に二度機能停止に追い込まれる事態となったのである。この際に悪役となってしまったのが、共和党のギングリッチ議長であるが、議長は徹底した歳出削減で均衡財政を目指そうとしたことで、クリントン政権も結局、それに歩み寄り歳出削減と一定の減税がはかられ、その後の財政再建に繋がる。

 今回の特例公債法案の可決先送りにより、もし可決の目処が立たないとなれば、政府の支出が抑えられるなどにより国民生活そのものに支障をきたすことが予想される。しかし、これにより問題か提起され、国民がむしろ財政再建を強く意識するようになれば、怪我の功名となることもありうる。ただし、それにはかなり大きなリスクも伴う。


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by nihonkokusai | 2011-02-24 09:58 | 国債 | Comments(0)
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