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ムーディーズ、日本国債のアウトルックをネガティブに変更

 格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは22日に、日本政府のAa2の債務格付けの見通しを安定的からネガティブに変更すると発表した。2009年5月にムーディーズは、日本政府の自国通貨建て債務格付けをAa3からAa2に引き上げていたが、結局、それを元に戻す可能性が高まったことになる。もしくは、2段階程度の引下げの可能性も考慮に入れておく必要があるのかもしれない。

 1月27日には格付け会社のスタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)が日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA-へ引き下げている。すでにS&PがムーディーズのAa3に相当する格付けに引き下げていたことで、今回のムーディーズによる日本国債のアウトルックの見直しによる債券市場への影響は、債券先物の値動きを見てもほとんど感じられないものであった。

 今回のアウトルックの変更についてムーディーズは、日本政府は短期から中期的には資金調達危機に陥るとは考えていないものの、日本の経済・財政政策が債務増加を抑制できるような状況にはないことを理由にあげているようである。

 22日の日経新聞の大機小機には、「見過ごせない国債格下げ」と題して、先月のS&Pによる日本国債格下げに絡め、日本の債務状態について注意を促している。特に注意すべきは日本国債が国内資金に賄われており、また消費税の引き上げ余地もあるため、他国並に国債依存度を引下げられる、もしくは国債の暴落は起き得ないとする考え方は危険であるという点である。

 貯蓄率の低下などもあり個人の金融資産の伸びは止まっており、国債の受け皿は縮小に向かっていることは確かである。しかし、新規国債発行額が税収を上回るような異常な状況は続いており、現在の政府の政策は債務増加を抑制できる状態にはなく、危機はじわりじわりと迫りつつある。

 民間会社の格下げやアウトルックの変更に一喜一憂する必要はないものの、それを疎ましく思わずに、ひとつの警告としてみることも必要であろう。ただし、2009年にムーディーズが日本国債の格付けを引き上げた理由も良くわかなかったが、そのアウトルックを見直さなければならない理由もよくわからない。日本の財務体質はムーディーズが最初に日本国債の格付けを引き下げた1998年あたりから、ほぼ悪化の一途を辿るばかりであり、改善するような兆しはほとんど見えていなかったのであるが。



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by nihonkokusai | 2011-02-23 08:29 | 国債 | Comments(0)
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