牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

超低金利継続に対する過度の楽観論も後退か

 2月7日の講演で日銀の白川総裁は、「やや気懸かりなのは、日本の社会において健全な楽観主義が後退していることです。過度の楽観主義がバブルを生むように、過度の悲観主義は経済の停滞の原因にもなります」との発言があったが、日本でもようやく景気に対して過度な悲観主義が後退しつつあるように思われる。

 日銀は14日から15日にかけて開く金融政策決定会合で、景気の総括判断を一歩進める方向と日経新聞が伝えている。すでに政府も1月21日に月例経済報告において、景気の基調判断を上方修正している。

 米国でもここにきての経済指標は景気回復を示すものが多くなり、市場も素直にそれに反応し、ダウ平均は8日までに7日続伸となり、米長期金利は3.7%台に乗せてきている。

 ダラス連銀のフィッシャー総裁は昨日の講演で、現行のQE2については予定通り完了する見通しを示したものの、一段の金融緩和には反対を表明した。また、リッチモンド連銀のラッカー総裁は、QE2の見直しを真剣に検討すべきとの考えを示した。

 フィッシャー総裁、ラッカー総裁ともにタカ派とみられており、これがFRBの総意とは言い切れない部分はあるものの、市場では今年6月末でのQE2に対して、継続されない可能性も意識し始めている。

 また、英国ではイングランド銀行が年内に利上げを余儀なくされるとの観測から2年債利回りは2年ぶりの高水準を付けている。

 さらに世界的に食料や原油などの商品価格の高騰によりインフレ懸念が強まり、それがチェニジアやエジプトの政変の原因ともなった。また、インフレ抑制のため中国人民銀行は8日に、金融機関の貸し出しと基準金利を9日から0.25%引き上げると発表したが、春節明け前という異例のタイミングでの利上げとなった。

 欧米、そして日本でも景気への過度な悲観論は後退し、インフレへのリスク(日本はデフレ解消への期待?)も強まりつつある。米国も日本同様のデフレに陥るとの見方も少しずつ後退している。日本でも楽観的すぎるのではとみられていた日銀の予測通りに、CPIは来年度に向けてプラスに向かう可能性がある(日銀の政策委員による2011年度コアCPI見通しの中央値はプラス0.3%)。

 日本の景気や物価に対しての過度な悲観論の後退は、それはつまり超低金利継続に対する過度の楽観論が後退することを意味する。

 ここにきての日本の長期金利の上昇は米国長期金利の上昇の影響によるところが大きい。しかし、中期債の利回りも上昇するなど、その背景には、ほとんど無限大に近いように思われていた心理的な時間軸(利上げ可能になるまでの期間)が、実は有限であったことを意識させられた可能性がある。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」を10月1日からメルマガで配信しております。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
価格は税込で月額1050円です。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-02-10 08:52 | 債券市場 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー