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中央銀行によるアクセルとブレーキの使い分け

 2月3日のECB理事会では主要政策金利を過去最低の1.00%に据え置いた。ユーロ圏での1月のCPIが前年同月比でプラス2.4%と2か月連続で政策目標の2%未満を上回っているが、理事会後の記者会見でトリシェ総裁は、これについて「想定外のことではない」と述べた。  前回1月13日の会見ではトリシェ総裁は「短期的なインフレ圧力がある」と指摘し、ECBはいつでも利上げできると強調した。しかし、この発言でECBによる利上げ観測が強まり、為替市場ではユーロ高の要因となった。

 この市場の利上げ観測の強まりを抑えるために、トリシェ総裁は今回発言によってブレーキをかけたものと思われる。前回に比べて物価に対する認識がそれほど変わったわけではないと思われる。

 中央銀行はマーケットに対するアナウンスメント効果をかなり意識している。前回のトリシェ総裁はインフレに敏感なユーロ圏市場に配慮して物価上昇抑制を意識した発言をしたのであろうが、それが利上げ観測を強める結果となり、今回はそれを抑える発言をした。

 日銀もこのようにアクセルとブレーキを使い分けてくることがある。たとえば1月20日に日銀の門間調査統計局長は、日本経済について「輸出は1~3月期に明るい方向に進む。冬のボーナスの増加や株価の回復があり、消費も悲観的に見る必要はない。日本経済は今年前半に踊り場から緩やかな回復局面に移行する」と発言した。かなり景気回復について前向きととらえられた。

 しかし、1月25日の日銀の金融政策決定会合における景気認識については「緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きに一服感がみられる」との前回(12月21日)の表現を据え置いた。ここではいったん慎重な姿勢を見せたのである。しかし、そのあとの記者会見で白川総裁は、輸出は先行き再び緩やかに増加していく、情報関連財の在庫調整についても着実に進捗していくことが見込まれるとノベルなど、やや景気回復について前向きの姿勢を示している。

 この日銀のアクセルとブレーキのかけ方は非常に緩やかなものであったが、昨年のQE2に向けてのFOMC関係者のコメントはかなりアクセルもブレーキも踏み込みが強かった。

 昨日、バーナンキFRB議長は講演後の記者会見で「近いうちに雇用者数の増加や失業率の低下をみることができるだろう」と発言したが(日経新聞のサイトより)、6月末まで実施される国債買入に関して、その後も実施するのか、規模を縮小するのかといったことには言質を与えなかった。

 6月末までには時間はまだあるものの、市場ではその後の動向に注目している。FOMC関係者は雇用などを主体に景気動向や、ここにきてインフレ懸念も強めつつあるため物価動向を睨みながら、さらに市場参加者のセンチメントも意識して国債買入に関して議論し、また発言をしてくるものと思われる。その際には、市場のセンチメントを見極めるために引き続きアクセルなりブレーキなりをうまく使い分けてくるものと思われる。


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by nihonkokusai | 2011-02-07 10:42 | 日銀 | Comments(0)
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