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こう着感を強める日米の債券市場

 日米の債券市場は昨年の11月上旬あたりから12月の中旬にかけて下落基調となっていたが、12月中旬以降は比較的狭いレンジ内での方向感に乏しい展開が続いている。

 11月からの日米の債券相場の下落は、それぞれ包括緩和とQE2という日米の中央銀行による追加緩和策が決定されたことで、それに対しての期待感により買い進まれた反動による下落という面が強かった。特に米国ではQE2による副作用としての将来へのインフレ懸念なども材料視されたことで、特に長い期間の国債への売り圧力が強まった。

 さらに米国での景気回復への期待も出てきたことも債券相場の下落要因となった。米国で発表される経済指標についても、景気回復を示すものも多くなり、市場もそれを好感し米国株式市場はじり高傾向となっている。

 ただし、このような日米の債券市場の下落も12月中旬あたりでブレーキがかかった。米10年債利回りでは12月16日につけた3.56%、そして日本の10年債利回りでは12月15日と16日につけた1.295%が直近で最も高い利回りとなり、その後は米10年債で3.3%、日本の10年債で1.2%を挟んでのレンジ内相場が続いている。

 それぞれの動きがたまたま一致しているというのではなく、日本の債券市場が米国の債券市場による影響を受けやすく、その結果似たような動きとなっているとも言える。

 それではこの日米の債券相場がこのレンジ相場を抜け出すとするならば、何が要因となるのか。これまでの動きを見る限り、今のところはFRBそして日銀の動向が焦点となりそうである。特にFRBが今年6月末までの6000億ドル相当の国債買入をストップさせるのか。それともその後も継続するのか。そのあたりの動向が注目点となる。

 その意味では今週開催されるFOMCの動向も注意が必要となる。今回はQE2の変更等はないと予想されるが、6月に向けてFRBがどのような姿勢なのか、声明文などの内容を確認する必要がある。また、今回から投票権を持つフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁とダラス連銀のフィッシャー総裁などの反対票の行方も注目されよう。

 日銀は引き続きこのFOMCの動向をかなり注視しているとみられるが、FOMCに動きがない限りは政策変更の可能性は薄く、今回も現状維持となろう。日銀も景気については踊り場から緩やかな回復局面に移行することを確認してくる可能性がある。ただし、展望レポートの中間レビューを含めて、景気認識の変化による債券相場への影響は限定的とみられる。

 それでは債券相場に影響を及ぼす可能性のあるFRBと日銀の政策変更はどのタイミングで、どちらの方向に向けて行われるのか。いまのところはその大きなキーとなるとみられる為替動向が比較的落ち着いていることで、早期の変更の可能性は薄い。また、欧州でのソブリンリスクも気になるところだが、一時に比べると危機感は後退してきている。もちろん油断は禁物ではあるが。

 あらたな材料が飛び出さない限りは、FRBも日銀もあえて今後の金融政策の方向性を示さず、景気や物価動向もさらに為替動向を見ながら次の一手を探って行くものと思われる。そうなればFRBはあえて相場にインパクトを与えることを避けるためにも、6月以降も国債の買入を継続してくる可能性が強いと予想される。もちろん市場に影響がないとみればFRBは国債買入を休止してくることもありうるが、米国債券市場はFRBの買入により下支えられている側面もあり、やめるにやめられないという日銀の国債買入と同様の事態に陥ってきている可能性もあろう。

 このような状況下にあり、当面の間、日米の債券相場はレンジ内での動きが続くことが予想される。しかし、相場である以上、新たな材料が出てきて相場の動きが急激に変わることも十分にありうるため、相場の動向に注意しておく必要もある。


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by nihonkokusai | 2011-01-25 08:44 | 債券市場 | Comments(0)
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