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中国の国債事情

 5日付の日経新聞によると、中国の副首相が4日から12日までの日程でスペインなどを訪問し、スペイン訪問の際に国債の買い増しを表明する可能性があるそうである。すでに米国債についても最大の購入国となっている中国は、世界の国債市場の中でもその存在感を高めつつある。

 ではその中国自身が発行している国債とはどのようなものがあるのであろうか。意外に知られていそうで知られていない中国国債について今回は見てみたい。

 中国の国債は、1949年の建国以降の財政資金需要への対応を目的として、1950~1958 年の間に発行された。その後、計画経済体制への移行に伴い、1959~1980年の間は国債の発行が停止されたが、経済改革に伴い財政支出が増加し始めた1981年から発行が再開されている。

 中国の国債を発行しているのは中華人民共和国財政部であり、中華人民共和国国務院に属する行政部門で日本の財務省に相当する。中国の会計年度は1月から12月であるが、予算案を可決する全人代は3月に開催され、可決は3月半ばあたりとなる。

中国の国債には、市場性国債(普通国債、特別国債)と非市場性で個人向けの貯蓄国債(証書式国債、電子式国債)がある。特別国債とは、2007年に外貨準備運用会社である中国投資有限公司(CIC)の資金調達のため財政部が発行した国債である。

 発行される国債はゼロクーポン債(割引債)が期間2年から5年債など。また、利付債が3か月、6か月、1年、3年、5年、7年、10年、15年、20年、30年そして50年債まである。1996年からは流通可能な国債について全面的に入札制度が導入された。

 債券の流通市場は、上海と深センの両証券取引所の他、1997年からはインターバンク(銀行間)市場、2002年には店頭市場(個人や非金融法人)が導入されたが、取引の約9割をインターバンク市場が占めている。

 投資家別の国債の保有割合を見ると、2009年12月現在で商業銀行が61%、特殊決算メンバーが29%、保険会社が5%となっている。特殊決算メンバーとは、人民銀行など当局者であり、当局者、商業銀行、保険会社で9割弱を保有していることになる。

 海外投資家に関しては、2002年に導入されたQFII(Qualified Foreign Institutional Investors)制度により、QFIIつまり適格外国機関投資家以外の海外投資家は投資ができない。

 昨年9月に日本の野田財務大臣が参院財政金融委員会において、「中国当局が日本の国債を買え、日本の外準(外貨準備)では中国の国債が買えないということには不自然さを感じる」との発言があったことを記憶されている方もいるのではなかろうか。

 2009年9月には香港において人民元建ての国債が発行されたが、中国政府が本土以外で元建の国債を発行するのはこれがはじめてとなった。

 中国の国債発行額は2008年が8615億元となり、2009年は1兆6418億元である。財政赤字に加え満期を迎えた国債の償還額を含めると、2010年の国債発行額も1兆元(約12.5兆円)を上回ることは確実とされている。国債発行残高は2009年末で6兆2708億元となり、国債発行残高の対GDP比では20%程度となる。また、中国政府は2010年の同国の財政赤字がGDP比で2%になるとの見通しを示している。

 中国は2009年あたりから積極的な財政政策を行っているが、財政赤字のGDP比で約2%と、欧州などで警戒水域としている3%を下回っており、まだそれほど懸念される水準にはない。


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by nihonkokusai | 2011-01-06 08:31 | 国債 | Comments(0)
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