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2011年の債券相場を占う

 2011年の債券相場がスタート。今年は果たしてどのような展開となるのか。その相場を占う上で、2010年の相場を振り返ってみたい。2010年はまずギリシャの財政状況の悪化が表面化をきっかけにユーロ圏諸国の債務問題が大きくクローズアップされた。

 ギリシャの財政懸念などを受け、日本の財政悪化を意識しての海外ファンドなどからの仕掛け的な売りが入り、日本の長期金利は3月に昨年11月以来となる1.4%をつけてきた。しかし、債務悪化を意識した長期金利上昇は今回も限定的であった。

 米国ではデフレ観測も強まりなどから米10年債利回りは3%を割り込み、2年債利回りは過去最低水準まで低下した。米国での長期金利低下が日本の長期金利の低下も促し、8月4日に日本の長期金利は2003年以来7年ぶりの1%割れとなった。

 8月10日に開催された日銀の金融政策決定会合で政策金利は現状維持としたが、同日開催されたFOMCでは、MBSの元本償還金を米国債に再投資する追加緩和策を決定した。これを受けて外為市場では円高ドル安が進行した。

 円高進行を受けて日銀に対して追加緩和圧力が強まり、8月30日に日銀は臨時の金融政策決定会合を開催し、新型オペの総供給額を20兆円から30兆円に増額し、新たに貸出期間6か月の新型オペ10兆円を新設した。

 しかし、FRBによる追加緩和観測が出てきたことや、米長期金利の低下などから外為市場ではさらに円高ドル安が進行し、これを受けて政府は9月15日に2004年3月16日以来となる為替介入を実施した。

 また、日銀も10月5日の金融政策決定会合において追加の緩和策となる包括緩和策を決定した。これを受けて6日に長期金利は0.820%に低下したものの、それ以降、長期金利は上昇基調となったのである。

 11月3日のFOMCで、FRBは来年6月末まで米国債を6000億ドル追加購入するという追加緩和策(QE2)を決定した。期待先行で買い進まれていた米国債もその後、売り圧力を強めることとなった。

 米債の下落は年末に向けてやっとブレーキがかかり、日本の債券相場も12月15日に10年債利回りが1.295%と1.3%近くまでつけたあと反発した。

 このように2010年の日本の債券相場はユーロ圏諸国の債務問題やその影響も受けての外為市場における円高圧力、さらに米FRBの追加緩和政策や日銀の金融政策とともに、米債の動向に振り回されるような格好となった。

 このため2011年の債券相場を占う上では、これら2010年の相場の波乱要因の動向をまず見ておく必要がありそうである。

 ユーロ圏諸国の債務問題については年末に向けてはやや落ち着きを取り戻していたものの、まだ予断を許さない状況にある。ただし、根本的な解決策はなく問題は残るものの、EUなどの対応策によりユーロというシステムそのものを揺り動かすほどにはならないのではないかと見ている。

 そして、FRBと日銀の金融政策の行方だが、2010年の追加緩和の背景にはファンダメンタルズそのものというよりも、かなり為替が意識されていた気配があり、今後も為替市場の動向が鍵を握ると考えられる。年末年始に円高圧力が強まってきており、その動き次第では、まず日銀に対して追加緩和圧力がかかる可能性がある。その日銀は3月に須田委員、6月に野田委員が任期満了となり、その後任人事にも注目が集まりそうである。

 FRBについてはQE2後の米債の下落を見ており、あらたに追加緩和を行うとすれば前回のようなアナウンスメント効果を意識したような動きから一転し、唐突的な追加緩和を行う可能性もある。これもあくまで為替の動きや、経済指標動向など次第とも言える。米債の動向はFRBの動き次第とも言えるが、昨年の下落相場を見る限り、大きく戻ることも考えづらい。

 国内景気については、11月の生産など見ても10~12月期の落ち込みはそれほどは大きくない可能性がある。また米国経済動向も注目されるが、こちらも意外にしっかりとなっている。今後発表される経済指標などを確認したいところだが、2011年の景気動向についてはあまり悲観的に見る必要はないのではないかと思う。

 ただし、日本の政治動向が悪影響を及ぼす可能性がある。特に年初から民主党の動向には注目する必要がある。大きな政界再編が起きたほうが日本の将来にとっては良い結果となる可能性もありそうだが。

 以上のような状況にあり、今年の日本の長期金利は、足元金利が日銀の包括緩和により抑えられている状況にかわりはないこともあり、大きく跳ね上がることも考えづらい。しかし、10年債利回りの1%割れはかなり警戒されるとみられる。このため、長期金利は1%から1.4%の間で狭いレンジでの動きが当面予想される。しかし、突如としてあらたな材料が出てくる可能性はないとは言えず、その際にはレンジが大きく変化してくる可能性はある。


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by nihonkokusai | 2011-01-05 08:33 | 債券市場 | Comments(0)
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