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2011年度の国債発行計画

 財務省が24日に発表した2011年度の国債発行計画によると、新規財源債が44兆2980億円、借換債が111兆2963億円、財投債が14兆円ちょうどとなった。これにより2011年度の国債の発行総額は169兆5943億円と、2010年度の当初ベースの162兆4139億円からは7兆1604億円もの増加となる。2010年度の二次補正予算後は162兆2078億円となっており、ここからは7兆3864億円の増加になる。当初ベースでの発行総額は2005年度の169兆5051億円を上回り過去最高額となる。

 国債の消化別発行額を見るとカレンダーベースの市中消化額は144兆9000億円となり、2010年度当初から6000億円の増額となり、これも年度別で過去最高額となる。

 第2非競争入札による予定発行額は市中消化額の3.75%の4兆50億円、前倒し債発行による調整分が6兆3893億円となる。

 そして日銀乗り換えが11兆8000億円と個人向け販売分が2兆5000億円。個人向け販売分の内訳としては、個人向け国債が2兆円ちょうど、新型窓販などの窓販分が5000億円となっている。

 特別会計仕分けの結果を反映し、国債整理基金の取崩し等を財源とした買入消却が総額3兆円程度実施される(具体的な実施方法は、四半期毎に市場の状況を見ながら決定)。なお、今年度においても国債整理基金の取崩しを財源とした買入消却を0.8兆円程度実施する。これにより借換債については概算要求時点では約115兆円とされていたが、それが111兆2963億円に届まる。

 前倒し債の発行額による調整分についても、財投債が概算要求での15.5兆円から14兆円になったこともあり、当初見込まれていた金額を下回り、6兆3893億円にとどまった。ちなみに来年度における前倒し債の発行限度額は12兆円となった。

 前倒し債の発行額による調整分についてもう少し説明すると、今年度すでに発行されている来年度分の前倒し発行分が存在する。もしそれを取り崩さなければ、そのまま再来年度の前倒し発行分がその分確保できる。しかし、来年度のカレンダーベースの市中消化額をある程度抑えるために、今年度すでに発行された前倒し債のうちの6兆3893億円を来年度の国債発行額として加算するものである。つまりはその分、再来年度の前倒し発行可能なバッファーが減ることになる。

 カレンダーベースの市中消化額は今年度の当初に比べると、30年国債(年8回発行)と40年国債(年4回発行)がそれぞれ一回あたり1千億円ずつ増額される。つまり合計で1.2兆円増額される。また、今年度当初にあった15年変動利付国債と物価連動国債のそれぞれ3千億円ずつの発行を2011年度は停止している。このため、差引でのカレンダーベースの増額は6千億円となる。

 財務省は生保・年金等の機関投資家の長期運用ニーズの増大を踏まえ、超長期債の流動性の向上にも配慮して、30年債・40年債の発行総額を増加するとしている。。

30年債と40年債以外は発行額は今年度当初と同額となり、20年債が一回あたり1.1兆円、10年債は2.2兆円、5年債は2.4兆円、2年債は2.6兆円を、1年割引短期国債は2.5兆円がそれぞれ毎月発行される。また、6か月割引短期国債が合計で9千億円発行され、全体のカレンダーベース消化額合計が144.9兆円となる。

 これにより、カレンダーベース市中発行額の平均償還年限は、7年9か月となり今年度に比べて3か月程度延びる。

 以上のカレンダーベースの市中消化額の内訳は、直前での国債市場特別参加者会合などにおけるコンセンサスに近いものとなり、以前に予想されていたような中期国債の増発等はなかった。これによる債券市場への影響はほとんどないとみられる。

 国債需給については、来年度も債券市場にとり波乱要因とはならないとみている。しかし、新規財源債が今年度並に抑えこまれたのは、歳出削減や税収増によるものではなく、結局、埋蔵金などを頼みとしている。歳出は社会保障関係費が引き続き増加する上に、新規国債発行額が税収を上回る異常事態も続いている。国債需給への目先の懸念はなくとも、日本の財政そのものへの懸念が生じれば国債は売られる。税制の抜本的な改革や、できうる限りの歳出抑制により、日本の財政リスクを軽減するための果断な努力を実際の行動で示さない限り、いずれかの段階で日本国債の信用が崩れる可能性がある。


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by nihonkokusai | 2010-12-28 09:16 | 国債 | Comments(0)
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