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債券相場の波乱は小休止ながら、財政問題が足かせに

 先週の債券市場では、15日に現物5年債の利回りが0.6%まで上昇し、また、10年債利回りは1.295%と1.3%近くに上昇。さらに20年債利回りも2.1%近くに上昇した。

 この債券利回り上昇の最大の要因は米国債の利回り上昇であったのは明らかである。円債に押し目買いが入り戻りかけても、米国市場で米債の利回りが上昇してしまい、翌日の日本の債券市場はさらに下値を試すような展開が続いた。

 そして、もうひとつ円債の上値を重くさせていたものに短期国債の利回り上昇など短期金利が上昇していたことも要因であった。15日の1年物短期国債入札の応札倍率が1.81倍と過去最低を記録するなど、やや異常なほど不安定な状況にあったためである。

 しかし、この大きな2つの懸念材料は次第に落ち着きを見せてきた。米債については先週末にかけて長期債主体に利回りは大きく低下した。さらに短期国債についても落ち着きを取り戻しており、その結果として0.2%台で高止まりしていた2年債の利回りも0.2%を割込んできている。

 これを受けて債券相場は大きく切り返し、10年債の利回りは再び1.2%を割り込み、また債券先物も一時140円台を回復した。ここにきて波乱含みとなったいた債券相場は小休止してくるものとみられる。

 ただし、このまま長期金利が再び低下基調となることも考えづらい。確かにファンダメンタルズを見る限り、日銀短観も悪化しつつあるなど景気の先行きへの懸念も強い。また、物価も上昇する気配はなく、デフレも簡単に解消に向かうことも考えづらい。しかし、日銀による追加緩和期待が強まるような状況でもない。

 それには外為市場で円高が一服したことも大きいと思われる。これにより日銀に対しての外部からのプレッシャーがかなり緩和されつつある。また、FRBについてはQE2後の長期金利上昇によって追加緩和、特に国債買入増額という手段については、かなり慎重にならざるを得ないと思われるため、日銀も早期に動く必然性がない。

 そして、日米ともに財政の問題もクローズアップされやすくなっている。これは欧州でも同様か。これも長期金利低下を阻害する要因ともなりうる。米国については減税策の継続などによる債務悪化、日本については抜本的な税制改革等の見送りなど一向に進められない財政再建、そして欧州については周辺国に対する支援により比較的財政が健全な国に対する財政への懸念が出てきている。

 日米欧とも中銀の政策の軸は、国債買入に傾いているが、それはそもそも先進国の財務体質が悪化しつつあることの裏返しとも言える。日銀による国債買入は財政ファイナンスではないとしているが、結果としては日本の債務悪化による債券市場への悪影響に対するクッションの役割をしていることも確かである。今後、中銀が国債買入を増加すればするほど、国債需給の緩和などよりも、その国の財政悪化が意識されやすくなる可能性もある。

 さらに日本では民主党政権の雲行きがかなり怪しくなってきている。民主党が分裂をするようなことがあれば、大規模な政界再編が起こる可能性がある。それにより、財政再建を積極的に進められるような若々しい政権が誕生することが望ましいが、あまり期待はできそうにもない。しかし、それに一抹の望みを託する以外に、日本の債務悪化を食い止める手段も考えづらいことも確かである。


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by nihonkokusai | 2010-12-21 09:00 | 債券市場 | Comments(0)
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