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「社会保障と財政問題」

 日本における皆保険、皆年金が誕生したのは1961年であり、来年で50周年となる。1961年に国民健康保険制度が完全普及され、また国民年金制度が発足したことにより、国民皆保険・国民皆年金が実現した。

 現在の日本の財政を考える上では、歳出に大きな割合を占めるこの社会保障の問題を避けるわけにはいかない。特に少子化とともに高齢化が進む日本では、高齢者増加による医療費の増額などとともに、それを負担する生産年齢人口の減少が問題となる。すでに今年度は一般歳出の半分を社会保障費が超えており、この社会保障費が自然増で毎年1兆円ずつ増えていくという状況となっている。

 11月8日に行われた財政制度等審議会の財政制度分科会の議事録が財務省のサイトにアップされているが、この中でも社会保障改革に対していろいろと意見が出されている。この中で、財政の問題、社会保障の問題、大きなデザインを描く必要があると指摘されているが、まさにそのとおりであろう。社会保障費そのものの削減については、いろいろとその手段については意見もあろうが、まず具体的な削減の数字を政府が示し、それに向けた議論の積み重ねも重要ではなかろうか。

 この議事録の中で、社会保障のサスティナビリティを危惧する発言もあったが、それ以前に社会保障費の増加は日本の財政そのもののサスティナビリティを危うくさせうる。ただし、危ない危ないと言われた日本国債はいっこうに暴落の兆しを見せないのではないかとの指摘もあろう。しかし、そのリスクは巨額の財政赤字が継続する限り危険なレベルへと高まりつつあることも明白である。

 英国などでは若手の政治家主導で、財政再建に向けて積極的な姿勢を見せている。しかし、日本では選挙で消費税アップがタブー視されるなど、積極的な財政再建を進めようとする気配すら感じさせていない。もちろん消費税を上げれば済むような問題でもないが、それを組み込んでの社会保障改革であったはずであるのに、それすら出来ていない現状が問題なのである。

 坂の上の雲ではないが、国民は日露戦争の際のような臥薪嘗胆を求められても困るというのも本音であろう。しかし、もし日本の財政が立ち行かなくなくなれば、その負担は国民に一気に振りかかる。また、日銀が国債を引き受ければ済むといった考え方は、アリとキリギリスの話に例えれば、まさにキリギリス的な考え方であり、将来背負うであろう大きなリスクを何ら意識していない。

 今後の日本の財政問題を考える上では、この社会保障費をどうするのかが大きな課題となる。日本の財政問題を真摯に受け止め、将来の国民の安心を導いてくれるような政治家が求められる。このためには、つまらない小競り合いに明け暮れているようなベテラン政治家たちは置いといて、海外のように若手政治家による奮起を期待したいところである。


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by nihonkokusai | 2010-12-17 10:27 | 国債 | Comments(0)
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