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「国債の知識、財投債の発行根拠法」

 2001年度から特別会計に関する法律(第62条第1項)を発行根拠法とした財政融資資金特別会計国債、一般には財投債と呼ばれる国債が新たに発行されている。

 2001年4月に財政投融資改革によって、大蔵省(財務省)の資金運用部は廃止され、郵便貯金及び年金積立金の預託義務が廃止された。郵便貯金や簡易保険、年金積立金で集められた資金は、それまで大蔵省(現財務省)の資金運用部に集められ、運用されていた。資金運用部はこの資金を旧住宅金融公庫・旧国民生活金融公庫をはじめとする公的金融機関や、旧日本道路公団などの公共事業実施機関、国の特別会計、地方自治体などに貸し出していたのである。

 しかし、財政投融資改革、いわゆる財投改革によって、資金運用部に預託する義務が廃止され、郵便貯金や簡易保険で集められた資金は郵政事業庁(後に、郵政公社を経由してゆうちょ銀行・かんぽ生命)、公的年金は厚生労働省の年金基金運用基金(後に、年金積立金管理運用独立法人)が、それぞれ独自で運用することとなったのである。

 財政投融資制度は、社会資本整備等により日本経済の発展に一定の貢献を果たしてきたといわれている。しかし、その規模が大きく膨らみ特殊法人等の事業の肥大化を招いたとの批判が出てきた。予算のチェックをあまり受けることなく、資金運用部から自動的に巨額の資金が特殊法人に流入されていた。自主的な資金調達を行う必要がないことで、市場のチェックを受けることがなく、特殊法人の経営そのものも不透明との指摘もあった。

 これらの点を踏まえて市場のチェックを受け、特殊法人等の改革・効率化にも寄与するために行なわれたのが財政投融資改革である。

 財政投融資改革により資金を必要とする財投機関は、市場から新たに資金を調達しなければならなくなった。このために発行されるのが、財投機関債、政府保証債、投融資特別会計国債(財投債)である。

財投機関債
 独力で資金調達できる法人が発行する政府保証がつかない債券

政府保証債
 独力では資金調達することが困難な法人が、財務省の厳正なる審査を受けた上で政府保証が付与され発行する債券。

財投債(財政融資資金特別会計国債)
 財投機関債、政府保証債のいずれでも資金調達が困難な場合に、財務省が発行する国債。そこで調達した資金を財投機関に融資する。発行根拠法は特別会計に関する法律。

 財投債は国がその信用に基づいて発行するものであるため、建設国債や特例国債と同様に発行限度額について国会の議決を必要とする(「特別会計に関する法律第62 条第2 項」)。財投債の発行収入は財政投融資特別会計の歳入の一部となる。

 財投債の発行に際し経過措置として、2001年から7年間は、市場に配慮して郵貯、公的年金、簡保積立金が財投債の一部を直接引き受けていたが、その期間が過ぎた現在はこの直接引受けは行なわれていない。

 また、財投債はその償還や利払が財政融資資金による独立行政法人などへの貸付回収金により行われていることから、将来の租税を償還財源とする建設国債・特例国債とは異なる性質を持っている。このため普通国債残高(建設国債と借換国債の残高)と財投債残高は区分して示されている。
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by nihonkokusai | 2010-12-15 08:28 | 国債 | Comments(0)
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