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債券の波乱相場の要因

ここにきての債券相場は連日のように先物が大きく上げ下げするなど波乱含みの展開となっている。これにはいくつかの要因が重なっているものと考えられる。

その要因のひとつは米国債券市場の不安定さであろう。米10年債利回りは上げ下げを繰り返しながらも結果として3.%台に乗せて、さらに上昇している。日本の債券市場も押し目買いが入っても、米債の下落などで押し返されるような動きが続いている。米債の下落要因としてはQE2に向けた買いの反動売りもあり、これには6月以降、米国債を大量に購入した邦銀からの売りも影響していたとみられる。

10月の日銀による包括緩和政策の決定時には0.1%近辺にあった2年国債の利回りが0.2%台での高止まりが続いている。これについても大手銀行の中期ゾーンへの売りが影響していた。日米国債の邦銀による合わせ切りの動きは、厳格なリスク管理などが影響しているのではないかとの観測もある。

また、超長期ゾーンの買い手となっている生保の動きも思いのほか鈍いものとなっている。この生保の動きの鈍さの背景には、すでに今年に入りある程度の買いを進めてしまったことで、あまり焦って買う必要はないためとの見方もある。

円高が一服し株式市場が戻り基調となっていることも、債券相場の上値を抑える要因となっている。日米ともに足元景気については予想されていたほど悪い状況にない。また、米国市場では予想を上回るような経済指標に反応しやすくなっていることもある。

さらに財政そのものへの不安が日米の債券相場の上値を抑えている可能性がある。格付け会社のムーディーズは、ブッシュ減税や失業保険の延長案により、向こう2年間における米国格付けに対する見通しの変更の可能性を示した。ムーディーズが自国の国債の格下げを行うことは考えづらいものの、こういった可能性が指摘されるほど米国の財政の先行きについては懸念が強い。米国は日本型デフレに落ち込むのではないかとの見方もあるが、同様に米国が日本のような債務膨張に陥る可能性もありうる。

そして、日本国内では政局の先行き不透明感も潜在的な要因となっている。特に政権与党である民主党に分裂の危機が迫り、来年度予算編成などにも影響する可能性がある。政局不安は国債需給への不安要因ともなる。それ以上に、財政再建に向けた積極的な動きもなく、将来に向けた国債需給悪化の懸念は強まるばかりとも言える。

以上の要因などがいくつか重なりあって、債券相場の変動を大きくさせるとともに、基調としては下値を試すような動きになっている。この流れがどこまで続くのかは予想しづらいところではあるが、まだブレーキがかかるような状況でもなさそうである。
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by nihonkokusai | 2010-12-14 10:27 | 債券市場 | Comments(0)
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