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「債券相場の地合いはさらに悪化、注意信号灯るか」

 今回の日本の債券市場は、かなり重症そうな雰囲気が漂ってきた。今日は5年国債入札が実施されたが、これを無難に通過すれば、先物は買戻しも入り、相場の地合いも少し良くなって、現物も押し目買いが入りしっかりと予想していた。実際に途中までのそのシナリオ通りの展開となった。

 昨日8日のユーロ圏での債券市場ではドイツ連邦債が売られ、10年債利回りは3%台に上昇し、米国市場では昨日の東京時間から売られていた米国債は、10年債が一時3.33%まで利回りが上昇した。このため、本日から中心限月となる債券先物3月限は、やや売りが先行し前日比15銭安の139円05銭で寄り付いた。LIFFEでは139円割れとなっていたが、前場の安値は139円01銭までとなり、その後、先物はじりじりと切り返す展開となっていたが、現物債は前場先物に比べ上値が重くなっていた。このあたりもやや気になるところではあった。10年債利回りは前日比2毛甘の1.250%の出合い後に、朝方は1.265%まで上昇していたのである。

 本日入札される5年国債は利率が前回から0.2%引き上げられ、0.5%となったがこれは予想通り。ここにきての債券相場の急落により、この入札への懸念も出ていたものの、その入札の結果は最低落札価格99円64銭、平均落札価格99円68銭と懸念されていたほどは悪くはなかった。ただし、テールは4銭と前回の1銭から伸びて、応札倍率も2.78倍と前回の3.97倍から低下していたがもそれなりのニーズがあったのではないかと推測された。

 とにかくも無事に入札というイベントも通過したことで、先物はショートカバーが入り、債券先物は、前日比77銭高の139円97銭まで大きく上昇した。買戻しは予想されたものの、ちょっと行き過ぎという感じも受ける戻りではあったが下げも大きかった分、戻るののも速いということか。3月限のチーペストの発行量が12月限より少ないことでの思惑もあったようである。この先物の戻りを見て、朝方1.265%まで売られた10年債も、さすがに買いが入り前日比5.5毛強の1.185%に利回りが低下した。5年債利回りも0.475%に低下した。ただし、2年債の利回り低下は0.210%までにとどまっていた。このあたりも注意すべきところであったのかもしれない。

 現物債にもそれなりに買いが入り、これでとりあえず今日のところは下げ一服かと思われた矢先、その10年債利回りは2時過ぎあたりから急速に上昇し、再び1.260%と朝方の水準に戻ってしまった。5年債も一時0.475%まで買われたのに、引けにかけては2.5毛甘の0.540%に。債券先物も引け際に139円02銭と朝方つけた安値に接近し、大引けは8銭安の139円12銭となったのである。急速に戻り過ぎた反動とも思われ、また東京時間で米10年債の利回りがじりじりと上昇していたこともあった。しかし円債は押し目買い待ちというよりも、戻り売り待ちの参加者がいたということでもある。また、5年新発債のセカンダリーニーズが思いの外見えなかった可能性もあり、ポジション調整の売りが入った可能性もある。

 結局、戻った分、帳消しになり、10年債は引けあと1.270%まで打たれた。これでは地合いが好転どころか、むしろ悪化してしまったようにも思われる。いったいこの円債の上値の重さの要因は何なのか。米債の下げの影響とそれによる銀行などのポジション調整ということで片付けられれば、さほど問題はないものの、別な要因が絡んでいるようだと、注意する必要がある。この場合の別の要因とは、たとえば日本国債そのものへの需給への懸念といったものではあるが、今のタイミングでそれが問題視されるとも考えづらいことも確かである。しかし、その懸念も払拭できないような債券相場の地合いとなり、当面、注意信号が灯りそうな予感がする。もちろん米債の今後の動きにも注意する必要がある。
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by nihonkokusai | 2010-12-09 16:21 | 債券市場 | Comments(0)
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