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「今年の債券相場を振り返る」

経済協力開発機構(OECD)の2009年12月時点での調査で、日本の資産を引いた純債務のGDP比は先進国で最悪水準になったことが明らかになった。1月に格付会社のS&Pは日本ソブリンのアウトルックをネガティブに変更したが、その理由は政府債務残高の対国内総生産比率の大きさや、民主党政権の政策では財政再建が予想より遅れるというものであった。

2009年度の新規国債の発行額は第二次補正予算後に53.9兆円に膨らみ、税収が36.9兆円規模になるとの見通しとなったことから、新規国債の発行額が税収を上回るという1946年以来、63年ぶりの異常事態となった。

また、2010年度予算では、景気低迷に伴い税収が37兆3960億円にまで落ち込み、また新規国債の発行額が44兆3030億円となり、当初予算段階から新規国債発行額が税収を上回る戦後初の事態となった。

2010年1月に欧州委員会がギリシャの統計上の不備を指摘したことが報道され、ギリシャの財政状況の悪化が表面化した。

格付け会社によるギリシャ国債の格付け相次ぐ引き下げからギリシャ国債が暴落し、ユーロ圏だけでなく、世界全体な株価下落へとつながった。このことから、ユーロ圏諸国の債務問題が注目され、ギリシャ以外にもスペインやポルトガルなどの国債も大きく売られたのである。さらに、外為市場ではユーロが対主要通貨に対して大きく下落した。

日本の長期金利は3月に昨年11月以来となる1.4%をつけてきたが、この背景にはギリシャの財政懸念などを受け、日本の財政悪化を意識しての海外ファンドなどからの仕掛け的な売りがあった。しかし、この債務悪化を意識した長期金利上昇は限定的であった。

ギリシャの財政問題を発端とした欧州諸国の財政問題を受けて、欧州連合は5月10日に過去最大規模となる最大7500億ユーロ規模のユーロ圏支援基金と証券買い取りプログラムを公表した。またECBが1999年のユーロ発足以来、初めて国債の買入を実施するなど異例とも言える政策が実施された。

鳩山首相の辞任により6月4日に民主党代表選挙が実施され菅財務相が後任に選出された。

日銀は2010年6月15日の金融政策決定会合において、成長基盤強化を支援するための資金供給の導入を決定。

米国でのデフレ観測も強まりなどから米10年債利回りは3%を割り込み、2年債利回りは過去最低水準まで低下した。この米国での長期金利低下が日本の長期金利の低下も促し、8月4日に日本の長期金利は2003年以来7年ぶりの1%割れとなった。

8月10日に開催された日銀の金融政策決定会合では、全員一致で政策金利の現状維持を決定したが、同じ日に開催された米FOMCでは、MBSの元本償還金を米国債(2年~10年)に再投資する追加緩和策を決定した。

これを受けて外為市場では円高ドル安が進行。8月25日に長期金利は0.895%と0.9%を割り込んだ。

円高進行を受け、日銀に対して追加緩和圧力が強まり、8月30日に日銀は臨時の金融政策決定会合を開催し、新型オペの総供給額を20兆円から30兆円に増額し、新たに貸出期間6か月の新型オペ10兆円を新設した。しかし、新型オペの拡充策にとどまったことで、市場の反応は鈍く、円高進行にもブレーキはかからなかった。

長期金利は31日に再び1%を割込むが、それは一時的なものにとどまり、9月6日には1.195%まで上昇した。

9月7日の日銀金融政策決定会合後に発表された公表文には「必要と判断される場合には、適時・適切に政策対応を行っていく方針である」と追加緩和を示すものともなっていたことから、長期金利は追加緩和期待により再び低下基調となった。

FRBによる追加緩和観測が出てきたことや、米長期金利の低下などから外為市場ではさらに円高ドル安が進行したが、政府は9月15日に2004年3月16日以来となる為替介入を実施した。

また、日銀も10月5日の金融政策決定会合において追加の緩和策を決定した。金融緩和を一段と強力に推進するために、包括緩和策を決定したのである。これを受けて6日に長期金利は0.820%に低下したものの、それ以降は再び長期金利は上昇基調となった。
11月3日のFOMCで、FRBは来年6月末まで米国債を6000億ドル追加購入するという追加緩和策(QE2)を決定した。期待先行で買い進まれていた米国債はその後、戻り売り圧力を強めることとなった。

また、外為市場では円高ドル安の動きも一服し、このため日経平均株価は11月18日に5か月ぶりに1万円の大台を回復。日本の長期金利は12月2日に1.2%台に乗せてきたのである。
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by nihonkokusai | 2010-12-03 11:23 | 債券市場 | Comments(0)
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