「国債の基礎知識、国債の概念とは」
国債とは広い意味では、国が負担するすべての債務のことを指しており、供託金等の返還や公務員に対する給与支払い債務なども含まれる(以下、「国債」大蔵省財務協会を参考)。
しかし、通常は国債とは国が負担している金銭貸借債務のことを意味する。これは国債整理基金特別会計法の国債に対する概念と同様であり、この第2条には、「財務省証券其の他の融通証券、借入金及一時借入金並に割賦の方法を以て償還する交付国債は之を国債と看做さす」とあり、融通証券、借入金及一時借入金も国債の概念に含まれる。
国債の概念には、国債に対して証券の発行を伴うという限定的な意味は含まれてはいないが、一般的に国債と言えば原則として証券発行をともなう国の金銭債務として捉えられている(ただし現在は証券の発行はされずにペーパーレスとなっている)。
12世紀に北イタリア諸都市において発行された貸付債券や、その後のオランダやイギリスで発行された国債が現在の国債の起源とされているが、これは証券発行をともなう国の金銭債務とみなした場合の国債の起源となる。
財政法の第4条には、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」とある。
そして、財政法第7条には「国は、国庫金の出納上必要があるときは、財務省証券を発行し又は日本銀行から一時借入金をなすことができる。」とある。
財務省証券とは一時的な国庫の資金繰りなどのために発行される政府短期証券(FB)のひとつであり「融通証券」とも呼ばれる。この政府短期証券と借入金については、第4条にある国債と、厳密に言えば区別されたものとも言える。このため、政府短期証券や借入金及一時借入金については国債には含まれないとする狭義の概念も存在しているのである。