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日米の金融政策に向けての非難の違い

昨日の米国債券市場では、10年債利回りは2.95%近辺に、また30年債は4.4%台にまで上昇したが、この要因のひとつに米国のエコノミストや大学教授らが量的緩和を避難する声明を発表したことも挙げられていた。

報道によると、この声明では、FRBの追加の量的緩和によりインフレへのリスクを示し、量的緩和が雇用促進というFRBの目標達成にはつながらないと考えるとの主張も示された。

また追加の資産購入は金融市場にゆがみをもたらしかねないことを指摘し、金融政策の正常化に向けた当局の将来の取り組みを極めて複雑にするとの見解を示したようである。

米国では今回のQE2と呼ばれた追加緩和にあたっては、バーナンキ議長の本来の持論でもあるインフレ・ターゲット政策を封じ込め、また時間軸の強化などインフレに直結させるような政策は盛り込まずに、国債の買入増額のみを決定した。

これに対して日銀の包括緩和では、民主党の一部の議員の意見も意識したのかETFやREITの買入まで踏み込んだ上に、時間軸政策も盛り込んでいる。しかし、それでも一部議員からは踏み込みが足りないとの意見すらあった。

デフレ下にある日本に対し、米国ではまだインフレ期待も強いことで、それぞれの金融政策の違いもあるとみられるが、そもそもその金融政策に対しての非難が正反対となっていることも興味深い。

今回の米国でのエコノミストや大学教授らが主張した内容は、金融市場にゆがみとの表現などまさに過去の日銀の量的緩和政策も意識してのものである。量的緩和が雇用促進というFRBの目標達成にはつながらないと考えるとの主張についても、FRBが国債を買えば雇用が増えるという経路ははっきりと見いだせないものでもあるのも確かである。

今回の米国の量的緩和を避難する声明は、ゼロ金利下にある金融政策の限界を示すものでもある。これに対し日銀の包括緩和に関しては、特に非難めいた主張はエコノミストや学者などの有識者からは出てきてはいない(一部にあったかもしれないが)。本来、その弊害に最も敏感になっていたのは、学者肌とも称される白川日銀総裁本人であった可能性もある。果たして今後、日米の金融政策はどのような展開を迎えるのか。今回の米国での声明が、その流れを微妙に変化させるものとなる可能性もありそうである。
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by nihonkokusai | 2010-11-17 11:06 | 日銀 | Comments(0)
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