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「中国による日本国債投資の目的」

 財務省が11月9日に発表した9月の国際収支状況(速報)によると、中国による対内証券投資のうち、短期債が6243億円、中長期債が1449億円のそれぞれ売り超しとなり、合計で7692億円の売り超しとなっていたことが明らかになった。8月の国際収支状況(速報)では短期債は2兆285億円の売り超し、中長期債は103億円の買い越しとなり、差引で2兆182億円の売り超しとなっていた。昨年8月から今年7月までの中国による日本の債券の買い越し額の累計は2兆2383億円となっており、計算上は8月と9月でそれを上回る売り超しに転じている。

 中国による日本の債券投資はそのほとんどが国債と見られるが、何ゆえに中国は日本国債の投資を大きく増やし、その後売却したのか。今年7月までの中国による日本国債の買いの多くは短期債であったことで、政治的な意図とは考えにくい。ドルやユーロに対する不安から、一時的に円に資金を逃避させてきた可能性がある。その中にあって、中長期債も少ないながらも買っていたのは、ある種の実験的な試みであったのかもしれない。日本の金融機関に対して中国から日本の債券動向に関するレポートなどを読みたいとの要請もあったと聞く。外貨準備の投資先の多様化の一環として、日本国債への投資も考慮に入れていたとも思われる。しかし、あまりに日本の金利が低いこともあり、結果として円高などを意識しての短期売買となったものと思われる。

 日本ではこのまま巨額の新規国債が発行され続ける限り、いずれ日本国債が国内資金で賄いきれなくなる日はやってくる。その際には海外投資家による保有の増加をはかることも必要となろう。その海外投資家の中でも、巨額の外貨準備を抱える中国の存在感が今後さらに大きくなることも考えられる。政治的な問題も含め、このあたりはかなり神経質なところともなりそうである。
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by nihonkokusai | 2010-11-11 11:59 | 国債 | Comments(0)
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