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「FRBと日銀のマンデート」

9月のFOMCの声明文では、物価を示す指標は現在、物価安定と雇用最大化を促す目標に対し、長期的に見て適正とする水準をいくらか下回っていると指摘した。物価安定と雇用最大化を促す目標とは、デュアル・マンデートとも呼ばれるFRBの2つの使命(目的)である。

ちなみに日銀のマンデートは日銀法第二条にあるように「物価の安定を図ること」にある。

バーナンキFRB議長は10月15日の講演で、デュアル・マンデートを果たすのに適切だと判断しているインフレ率は2%か、それをやや下回る水準であると発言している。現状は9月の米コアCPIが0.8%と1%をやや割込む水準にある。

日銀も10月5日の包括緩和策を導入した際に、「中長期的な物価安定の理解」に基づき、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していくとし、時間軸政策を取り入れた。中長期的な物価安定の理解によれば、コアCPIでの1%程度が日銀のマンデートを果たしうる水準となる。

FRBはデュアル・マンデートを果たすためには、現状プラス1%程度の物価水準をプラス2%程度に引き上げることが必要とし、日銀は現状マイナス1%近辺(ただし、ここからマイナス0.5%程度の高校授業料の影響を除く)のコアCPIをプラス1%程度に引き上げることを必要としている。

そして、その手段として講じた手段が日銀は国債を含む基金オペの設立などの包括緩和策であり、FRBがやろうとしているのがQE2と呼ばれる追加の量的緩和で、それは結局、国債の買入れ増額になるとみられる。

しかし、中央銀行が国債を買い入れることで、果たしてどれだけCPIの上昇に影響を及ぼすというのであろうか。日銀は前回行った量的緩和策においても国債買入れの増額を行っているが、それによるCPIへの波及効果がはっきりと検証されたというのは聞いたことがない(私の認識不足の可能性もあるが)。というよりも、中央銀行が国債を買えば本当に物価が上がるという理由をしっかり説明することは可能なのか。

戦前の日銀による国債引受による一時的なデフレ解消(とその後のハイパーインフレ)という実証例は確かにある。しかしこれは結局、財政規律の喪失により結果としてインフレを招いた。
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by nihonkokusai | 2010-11-04 08:37 | 日銀 | Comments(0)
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