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「FOMCでのQE2予測」

11月2日から3日にかけて開催されるFOMCの行方に注目が集まっているが、どうもその内容がはっきりせずに不透明感を強めている。それがむしろ今回のFOMCそのものを注目させる要因ともなっている。

QE2観測の強まりの発端は10月12日に発表されたFOMCの議事要旨であるかと思う。ここで近い将来、金融緩和を実施する用意があるとの認識が示され。一段の景気刺激に向けた措置として、長期国債の追加購入と、インフレ期待に影響を与えうる施策が議論されていたことが明らかになった。

そして15日の講演でバーナンキ議長は失業率は緩やかにしか低下せず、基調的なインフレ率はFOMCが妥当と考える水準を下回ると指摘した。FOMCの使命であるデュアル・マンデート(最大雇用と物価安定)に照らし追加緩和が必要な状況にあると思われる、として追加緩和の必要性について述べた。

具体的な追加緩和の手段としての量的緩和による国債買入れ増についてバーナンキ議長は、そうした非伝統的金融政策については前例がなく効果が不透明な点を指摘し、長期債の適切な購入額と購入ペースの決定は極めて難しい問題とも述べている。さらに、FOMCの声明文にある超低金利政策を長期間に渡って続ける、との文面を市場の期待以上に強化する考えも示した。

10月4日に副議長に就任したイエレンFRB副議長は10月11日の講演で「緩和的な金融政策が、金融システム内におけるレバレッジ、および過度のリスク行動増大の火種となることは考えられる」と低金利政策により金融バブルを招く懸念があることを指摘した。

ウォーシュFRB理事は6月の時点では、MBSや国債の買い取りを再開することに慎重な姿勢を示した。

また、デュークFRB理事は10月19日の講演で、FRBのコミュニケーション戦略は市場の期待を形成することから、金融政策の最も強力な側面の一つとの認識を示した。また、FOMCの現在のコンセンサスを最もよく理解しているのはバーナンキ議長だと指摘した(ロイター)。

これまでの追加緩和に反対票を投じてきたカンザスシティー連銀のホーニグ総裁はさらなる金融緩和について、「長期金利の若干の低下という極めて小さな追加的効果を得るためにインフレ上昇のリスクを冒す」ことを意味するだろうと述べた。(スイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングとのインタビュー、ロイター)

また、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、日本のデフレとの戦いは治療よりも予防措置をとる方がはるかに容易であることを示していると指摘、政策当局者は悪性のデフレが定着する前に積極的に対処する必要があるとの考えを示し、積極的な緩和策が必要だとの見方を示した(ロイター)。

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は9月30日、景気回復のペースがあまりにも鈍く、来年のインフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)が望む水準に上昇せず、失業率も十分には低下しないとの見通しを示した。追加金融緩和については、「海図なき領域にある」とし、「追加緩和が必要であれば、採用する枠組みが効果的であることを確実にしたい」と述べた(ブルームバーグ)。

米セントルイス地区連銀のブラード総裁(James Bullard)は、7月にリサーチペーパーのなかで「米連邦公開市場委員会(FOMC)の(声明にある)長期間との文言は、米経済が日本のような結果(デフレ)に陥る確率を高めている可能性がある」とした。さらに「米国の量的緩和政策は、そのような結果を回避するうえで最善の措置」と指摘した。つまり、一段の米債買い入れを検討すべき、との見方を示した。

ロックハート・アトランタ連銀総裁は18日の講演で、一段の金融緩和を支持する立場を表明した。この際に毎月1000億ドル規模の米国債の買い取りに触れた。買入れ規模の1000億ドルについては「単月の数字としては、前回実施された量的緩和とほぼ一致しており、第2弾もこのレンジになると想定されるだろうと述べている(ロイター)。

そしてダドリー・ニューヨーク連銀総裁は、10月1日に米国の雇用成長と物価の見通しは受け入れられないものとし、QE2の可能性を指摘した。ただし、FRBは魔法のつえを持っていない。これまでの過剰の局面に残された問題を直ちに解消することはできないとし、対策対応には限界がある点も示した。

ニューヨーク連銀のウィリアム・ダドリー総裁は元ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミストであったが、そのゴールドマンがQE2に関して出した予測も市場に大きな影響を与えた。

22日に発表した調査リポートにおいて、テイラールールに基づけばFRBはFFレートを300bp引き下げる必要があると分析し、1兆ドルの資産買入れが約75bpの利下げ効果に等しいとした。つまりは4兆ドルの買入れが必要ということになる。ただし、FRBが4兆ドルの資産購入を決定する可能性は低いとし、QE2の規模は2兆ドルになる公算が大きいとの見通しを示した(ロイター)。その上でまず最初の半年間で5000億ドルといった予想を行ったのである。

20日メドレー・レポートで5000億ドル規模の国債買い入れを計画しているとも伝えられたが、27日には英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が当初6カ月間で5000億ドルの資産購入を発表する可能性と言及。

これに対して、26日にウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、今後数カ月にわたって数千億(2、3千億か)ドル規模(a few hundred billion dollar)の国債買い入れ計画を発表する見通しだと伝えた。

そして、28日にはニューヨーク連銀が債券ディーラーや投資家に対し、今後6カ月間の資産購入規模の予想やその利回りへの影響について調査を行ったとブルームバーグが報じた。これを市場では予想以上の国債買入れの可能性があると受け取ったようである。

バーナンキFRB議長を含めてFRB関係者の多くが追加緩和に前向きな姿勢と見られることで、QE2の実施そのものの可能性は高いと言える。むしろ何もせずに現状維持となった場合の市場の反応が恐いくらいである。また、バーナンキ議長発言からは時間軸を意識しての声明文のより強めのトーンでの変更もありうる。ただし、物価水準目標の導入までには至らないとみられる。

また、国債買入れ以外の手段も考えにくい。このため、注目はその国債買入れの規模となろう。当初半年での数千億ドル、五千億ドル(もしくは毎月1千億ドル)相当、1兆ドルかそれ以上の選択肢がある。

可能性として高いのは、五千億ドル(もしくは毎月1千億ドル)相当か。それと同時にさらなる追加の可能性を示し、大規模な国債買入れと同様の効果を与えることも選択肢としてありそうである。しかし、これも私個人の観測にすぎず、FOMCを前にどのようなコンセンサスが広がり、現実には何が選択されるのかは予想は難しい。ただ、注目が集まりすぎている分、予想外の結果(変更なし、もしくは期待以上の買入れ)は市場に過大なインパクトを与える可能性もあり、控えられるのではないかとも思われる。
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by nihonkokusai | 2010-11-01 14:17 | 債券市場 | Comments(0)
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