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「次回の日銀の決定会合はFOMCの翌日に前倒し」

日銀は本日の金融政策決定会合において、金融政策は全員一致で現状維持とした。そして、資産買入れ等の基金について具体的な基本要領等を決定した。さらに、次回の金融政策決定会合を予定されていた11月15日から16日から、11月4日から5日に前倒しすることを発表した。この前倒しの理由だが、日銀はETFとREITの買入れを早期に実施できるよう基本要領の審議・決定等を行うためとしているが、これは11月2日から3日にかけて開かれるFOMCを意識したものと見ざるを得ない。

ブルームバーグによると、FRBが国債購入規模予想で政府証券公認ディーラーに今後6か月間の資産購入規模の予想やその利回りへの影響について調査を行った模様である。政策変更に当局が市場にお伺いを立てるという事態は極めて異例と言わざるをえない。ここにきての米債や為替市場の動きなどにかなり神経質になっているものと予想される。

日銀が日程を変更したのも、次回のFOMCでの内容によっては市場に大きな影響を与え兼ねず、その場合には機動的な対応を臨時会合を開くことなく行おうとしたものと思われる。それだけ日銀も今回のFOMCによる影響を注視しているものとみられる。

11月2日から3日にかけて開かれるFOMCにおいて、QE2と呼ばれる量的緩和策第二弾が実施されるとみられているが、ここにきての米債の下落が少なからず、その決定に影響を与える可能性が出てきた。本来ならば、目先の市場の動きが金融政策の舵取りに変化を与えることはないはずである。しかし、日銀が円高を気にして突然に追加緩和をするなどの例外もある。

FRB関係者はバーナンキ議長を含めて、追加緩和策の実施を市場にアピールしてきた。ただし、その中身はまちまちとなり、実際にどの程度の国債買入れが実施されるのか、市場は具体的なイメージを描けずにいる。しかし、問題なのはその金額よりも、追加緩和によるインフレ懸念の台頭である。

ピムコのビル・グロース氏は、FRBによる資産購入再開は30年に及んだ債券強気相場の終わりを告げる公算が大きいとの見方を示したが、その背景にあるのが将来のインフレへの懸念である。ビル・グロース氏の指摘はなくとも、すでに米債の利回りは上昇基調になってきており、10年債利回りは10月8日の2.3%台から27日には2.7%に上昇している。今回の米債の下落は円債にも影響し、日本の長期金利は上昇基調となっているが、日米ともに高値警戒による売りとも考えられる

需給面から言えば、FRBによる国債買入れは米国債にとり買い材料のはずである。さらに足元の物価はインフレどころかディスインフレを示している状況にある。しかし、FRBによる追加の量的緩和はいずれインフレに直結するとの市場認識のほうが上回ってきている。デフレに慣れきった日本とは違い、米国では潜在的なインフレ観測が強いように思われる。

これだけ債券市場でインフレが警戒されているとならば、市場予想を上回るようなサプライズ的な追加緩和はむしろ米債の急落を招く可能性がある。予想されたよりも規模を控えたほうが、まだ市場への影響が少なくなる可能性もあろう。それで市場はインフレ警戒を弱めるのか。それとも対策としては不十分といった反応を示すのか。優柔不断とも言える市場に対し、どうやらFRBも優柔不断な対応を示しそうで、それにさらに備える日銀は果たして何をしようとしているのであろうか。
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by nihonkokusai | 2010-10-28 14:34 | 日銀 | Comments(0)
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