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「量的緩和解除」

 6月にはガソリン価格が一旦低下したこともあり、やや足踏みとなるかもしれないが、7月以降は安定的にゼロ以上となる可能性が出てきている。たとえば7月出荷分のガソリンなどは、石油製品の卸値は6月比3円程度引き上げられたことで店頭価格も1リットル当たり124円台に上昇している。ガソリンだけでなく、タイヤの価格なども2年連続で引き上げられているなど、価格転嫁もここにきて次第次第に行われているとみられる。価格転化は一部に限られるとの見方もあろうが、次第に裾野も広がりつつあるようである。

 景気も外需の減速を個人消費などの内需で補ってきており、予想されたほどの落ち込みには至っていない。日銀の地域経済報告(通称さくらリポート)においても、「足もとの景気は、多くの地域で緩やかな回復基調にあり、弱めの動きも解消しつつある。」としており、全9地域のうち7地域の景気判断が「緩やかな回復基調」となっており、景気回復の一服感が弱まりつつあることを指摘している。景気の回復基調が今後も続くであろうことは、日銀の福井総裁も再三指摘していたが、このさくらリポートにおいても、それを確認させるものとなっている。

 それでは、景気の回復基調が再び強まった上に、このまま安定的にコアCPIがゼロ以上で推移するようになった際に、日銀はどのように動くであろうか。武藤副総裁は、「もし本当に予定通り(消費者物価指数の前年比が)プラスになり、それが相当続くとなればデフレ脱却と言えるではないかということは議論の余地があると思う」とかなり慎重な構えを示している。これは谷垣財務大臣の意向を受けたものとの見方もあるが、こういった意向を察して表面上の姿勢制御を行ったものと思われる。

 審議委員の一部には日銀の当座預金残高目標額の引き下げを求める声があるものの、すでにこれは量的緩和解除に向けての一歩との捉え方をされてしまっている。なお書き修正はされたものの技術的にも現在の目標額を維持させるのはなかなか厳しい。今月末から来月はじめにかけても一時的な下限割れの可能性も強い。しかし、当座預金残高目標引き下げを納得させるためには、量的緩和解除の条件がある程度揃わなければむずかしいものと思われる。

 このためコアCPIが数ヶ月に渡りゼロを上回ってさらにトレンドとして上昇基調が確認できた上で、経済指標なども考慮に入れ、目標引き下げではなく、一気に量的緩和を解除する可能性が強いものと思われる。そのためには少なくとも年内の解除の可能性は薄く10-12月のCPIの上昇幅を確認した上で、来年早々の可能性が高くなっているのではないかと考えている。
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by nihonkokusai | 2005-07-07 09:51 | 日銀 | Comments(0)
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