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「あなたがほしい国債アンケート」

財務省では先月募集され10月15日に発行される個人向け国債から、その応募額を公表することとなり、ネットでも掲載された。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke/houdouhappyou/p221006.htm

これによると、個人向け利付国庫債券(固定3年)第4回債が308億円、固定5年第20回債が403億円、変動10年第32回債が155億円となった。合計で865億円となり、過去最低と応募額となった。5年と10年それぞれも過去最低となった。

個人は特に金利に敏感であり、国債の安全性そのものやデフレ下にあっての国債の優位性などよりも、利回りそのものを求める傾向があることで、これだけ国債が買い進まれている状況下、個人のニーズは低迷している。

財務省は個人向けの国債の販売促進のため、商品の多様化などについてホームページ上で「あなたが欲しい国債」というアンケート調査を行うこととなり、さっそく専用ページが作られた。

https://www2.mof.go.jp/enquete/kojin_opinion.php

これまでも個人向け国債については個人的な関心も強く、微力ながらも側面支援させていただいている。個人向け国債発行の際の国債課長であった村尾信尚さん(関西学院大学学長直属教授。ニュースキャスター)、そして現在、個人向け国債も担当されている齋藤国債業務課長には昔からたいへんお世話になっていることもあり、今回のアンケート調査にも協力させていたただいた。

アンケートにお答えいただく参考のため、米国の個人向け国債である貯蓄国債の仕組みをご紹介したい。

貯蓄国債で購入できるのはSeries EEとI Bondの2種類。Series EE などからの乗り換えのみが認められるSeries HHは2004年9月に新規発行が廃止された。Series EEは2005年5月のEE Bondの金利ルール変更で変動金利から固定金利となり、何年保有しても利率は変わらない。新規発行分の金利は毎年5月と11月に見直しが行われる。

インフレ連動型のI Bondはインフレ率に応じて利率が決まるインフレ対応型の債券である。利息は毎月計上されるが換金まで利息の支払いを受けることはできない。貯蓄国債の有利な点は、米国債でありながら少ない額(25ドルから)購入できる点、ちなみに日本の個人向け国債は1万円単位。

銀行やインターネットを通じたトレジャリーダイレクトで簡単に購入できることも魅力となっている。利回りも比較的有利になっており、さらに州税や市税が非課税なのも利点。ただし、連邦税は課税されるが換金まで払う必要はない。換金は発行月から1年を超えた次の月からできる。ただし、発行から5年以内に換金する場合は、換金日の直近の3か月間分の利息をペナルティとして取られる。

貯蓄国債は国が発行する債券であり信用度が高く小額での購入が可能な上、税制上のメリットもあり、教育資金に使う場合には利息が非課税になるという利点もある。

以上が米国の貯蓄国債の概要だが、日本ではインターネットを使った財務省からの直販システムについては決済のために使われる日銀との問題や、トレジャリーダイレクトで使われている社会保障制度の番号を利用した本人確認のためのシステムが必要になるため実現性はいまのところ薄い。

また、米国の貯蓄国債では教育資金に使う場合には利息が非課税になるなど税制面の魅力だが、これも日本ではなかなか難しいようである。

日本の個人向け国債の購入層は60歳以上の高齢者が中心とみられている。このため、期間はなるべく短期のものが好まれることで3年物が発行されたが、3年物の販売も低迷している。

ただし、1年物や2年物を検討してはどうかと個人的に考えている。この期間のものでは個人向け国債を販売しているゆうちょ銀行を含めた銀行の定期預金や定額預金と完全に競合してしまうが、デフレ下にあって預金に資金が集中しながらも貸出が伸びない状況であり、それほどの影響はないのではなかろうか。

そこで私は1年満期の固定利率、利率は0.1%以上、利払いは満期一括か割引方式、途中売却不可という個人向け国債を提案したい。個人は短期国債を購入できないが、短国と同様の性質をもつ個人向け国債に多少なりニーズはあるのではないかと思う。特に10月5日の日銀の包括緩和政策により、少なくとも期間2年あたりまでの金利は0.1%近くにかなりの期間張り付くことが予想される。同じ金利水準となれば安全性が高い国債に資金を振り向けようとする個人もそれなりにいるのではないかと想定される。また、以前に発行されていた3年や5年の割引国債のニーズはそれなりにあったことで、短国同様に割引方式とすればあらたなニーズが広がることも考えられる。

以上は私の個人的な意見であり、あくまで参考程度にしていただき、できれば皆様の貴重なご意見を、この「あなたが欲しい国債」というアンケート調査にお寄せいただければと思う。
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by nihonkokusai | 2010-10-07 11:30 | 国債 | Comments(0)
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