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「EBSを使ったとみられる為替介入と日銀による非不胎化措置」

本日15日午前10時半近くに政府は2004年3月16日以来となる為替介入を実施した。ドル円は10時25分頃つけた82円88銭近辺から一気に83円台後半に。その後も断続的な介入により、ドル円は85円台を回復した。野田財務相は財務省内で緊急会見を開き、「為替相場の過度な変動を抑制するため、さきほど為替介入を実施した」と明らかにした。また、今回は協調介入ではなく日本単独での介入であることも明らかにした。

介入については、個人的にはその効果に懐疑的である。特に単独での介入では、過去の介入同様に投機筋の餌食にされる可能性がある。スイスも介入を行ってきたが、介入すればするほどスイスフランが買われる結果となった。

介入を戦争に例えるのはどうかとは思うが、太平洋戦争末期、戦艦大和の最後の出撃と被る。援軍はなく単独で、しかも大艦巨砲主義の象徴でもあり、結局、航空機の攻撃により沈没。この場合の航空機が今回は投機筋になりうる。もし戦略・戦術が優れ、市場の隅々にまで精通した人材がいて介入指示を行えば、数多の投機筋に対抗しうる可能性はないとは言えないが、それでも円高圧力を腕力で抑えこむには限界があろう。

ただし、今回の介入では2004年当時とは戦術に変化があった。介入の実行部隊となる日銀はインターバンクに協力を依頼せずに、EBSから直接円売りを実行したとの観測がある。EBS(Electronic Broking System)とは電子ブローキングシステムで人を介さず売買注文を端末に入力することにより取引が成立するコンピュータシステムである。これにより過去の介入時のように大手行主体に直接電話で取引するのと異なり、約定後でなければ相手方、つまり日銀とはわからない方法で介入したとみられる。これまでは大手行主体に介入が入りやすく、その分、介入の情報も偏在化していたが、電子取引を使うことでより公平感とともに、隠密性、さらに即時性が高まることとなる。今回はEBSで取引したディーラーがBOJQという相手方のコードを見てかなり驚いたとも伝わった。

今回の介入については日銀も政府の動きに歩調をあわせることとなった。日銀は、今回の円売り介入で市場に供給される資金を吸収しない方針を固めたと一部報道で伝えられ、たまたま本日、講演を行っていた日銀の野田審議委員も介入資金使い潤沢に供給と発言し、いわゆる非不胎化措置を講ずることとなったのである。これはある意味、量的緩和策がイメージされ、日銀が追加緩和を行ったのと同様のアナウンスメント効果があろう。
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by nihonkokusai | 2010-09-15 16:23 | 日銀 | Comments(0)
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