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「民主党代表選の結果を受けての債券相場の動向」

14日に投開票が行われた民主党の代表選挙で菅候補が小沢候補を大差で破り続投が決まった。小沢氏が勝利すれば財政拡大の可能性もあり、一時的にせよ債券相場には売り圧力がかかる可能性はあったが、それは回避された。

この日には20年国債の入札が実施されたが、最低落札価格はほぼ予想に近いものとなったが、テールは20銭と前回の8銭から大きく拡大。ただし、応札倍率は4.56倍と前回の2.86倍を大きく上回った。民主党代表選の結果待ちの状況下の中にしてはまずまず無難な結果となった。

この結果を見て投資家は民主党代表選の結果を待たずに押し目買いを入れたことから、現物は10年310回が当時朝方の1.165%から1.130%に、5年91回も0.390%から0.370%に、超長期20年120回も朝方の1.975%から1.930%に、それぞれ大きく切り返してきた。

ある程度、菅氏勝利を意識していた可能性はあるが、それよりもたとえ小沢氏が勝利しても債券売りは限定的とみていたものとみられる。財政に向けての菅氏と小沢氏の姿勢は正反対であったが、もし小沢氏が首相に選ばれたとしてもあまり無茶な政策を行うことができなかったのではないか。小沢氏とて日本の財政悪化をまったく理解していないはずはない。

しかし、それでも小沢氏が首相となれば今後のリスクが高まる懸念もあった。たとえば14日の民主党代表選での立候補者演説で、小沢氏は日銀法改正など制度改革やインフレターゲット政策も視野に入れ、金融政策と財政政策の両面からあらゆる手段を尽くすと発言していた。これは所謂、民主党のデフレ議連と同様の発想であり、日銀法改正を本気で取り組むとなれば、これまでの中央銀行の歴史に逆行することともなりかねないものである。

また、小沢氏が主張していた無税国債の発行や国有財産の証券化などを本当にやるとしたら、債券市場はかなり神経質な動きを示すことも考えられた。とりあえずはこういった動きは回避され、債券相場にとり菅氏の勝利は「閑散に売りなし」という格言にあやかって、まさに「菅さんに売りなし」ということになった。しかし、これで再び長期金利が1%を大きく割込むかどうかは不透明である。債券相場にとり今回の結果はあくまで売りの材料とはならなかったと言う程度でしかない。

円高進行などにより今後は政府によるさらなる景気対策への期待が強まることも考えられる。日本の財政問題は菅氏の続投により、急激に悪化するリスクが抑えられたに過ぎない。今後は「菅さんでも売り」となる可能性も否定はできない。今後の財政再建に向けた取り組み姿勢もしっかり確認しておく必要がある。
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by nihonkokusai | 2010-09-14 16:04 | 債券市場 | Comments(0)
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