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「民主党代表選挙後の債券相場の予想」

民主党の代表選挙を明日に控え、その結果後の債券相場の動向を占ってみたい。現在のところ菅氏がややリードと伝わっているが、債券市場で注目されるのは財政に向けての動きである。

菅氏は前回の衆院選マニフェストについて修正やむなしとの立場であり、また社会保障改革を財源と一体で議論しその中で消費税を含む税制の抜本改革についても検討するとして消費増税に言及するなど、財政再建を意識した立場におり、その点では国債市場にとり「小沢ショック」が払拭し、買戻しの要因となりうる。それに対して小沢氏は2010年度予算に計上している予備費を財源に2兆円規模の景気対策を行うとし、さらに国債増発の可能性についても言及している。

8月25日に長期金利が0.895%をつけたあと債券相場は大きく下落したが、そのきっかけのひとつが6日に民主党代表選に小沢前幹事長が出馬と報じられ、財政拡大が意識されたことであった。このタイミングでメガバンクなどが超長期債を主体に売りを持ち込んだことで、債券相場は大きく売られ、10年債利回りは9月6日に1.195%と1.2%に接近した。

しかし、小沢氏の出馬はあくまで債券相場の売りのきっかけに過ぎなかったことに注意する必要がある。日本の債券相場は米国債やドイツ連邦債がリスク回避の資金流入で買われたことなどを背景にして、じりじりと買われ史上三度目の長期金利1%割れという場面を迎えていた。その米国債もやや高値警戒などから売りが入りつつあり、日本国債も何かしらのきっかけ次第で売られやすい状況にあった。小沢氏の出馬による財政悪化懸念は、まさにタイミングよい材料となったに過ぎない。

このため民主党代表選の結果がそのままストレートに材料視されることは考えづらい。しかし、財政に向けての動き次第では今後の国債需給があらためて見直される可能性はある。

財政に向けての菅氏と小沢氏の姿勢は正反対であり、菅氏の場合にはいったん足元の財政悪化懸念は後退しよう。小沢氏は代表選に向けては菅氏と反対の立場をとっているが、実際に首相に選ばれればあまり無茶な政策を行うことができなくなるのではないか。小沢氏とて日本の財政悪化をまったく理解していないはずはない。

ただし、仮に無税国債の発行や国有財産の証券化などを本当にやるとしたら、債券市場はかなり神経質な動きを示すことが考えられる。財政拡大に歯止めがかからないとなれば、日本国債が国内資金で賄うことができる臨界点がさらに前倒しされることになる。いまのところ日本の財政危機は狼少年に例えられているが本当の狼は必ずやってくる。問題はそれが「いつ」であるのかに過ぎない。その日を少しでも先送りさせ、その間に税制改革なり抜本的な手を打つ必要がある。

もし小沢氏にそのような認識が本当にないとなれば、債券市場が下げ足を早めるリスクはある。また、菅氏が勝利しても小沢氏の処遇次第では国債への信認が低下する懸念もある。いずれにせよ、債券相場にとっては一時的な買戻しの材料、もしくはいったんの下値模索となり、そのあとは政局とともに財政の行方を見極めてということになろう。
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by nihonkokusai | 2010-09-13 17:41 | 債券市場 | Comments(0)
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