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「小沢ショックで債券バブル崩壊の可能性も」

8月30日に債券相場は急落した。この日、日銀は臨時の金融政策決定会合を開催し追加緩和を決定したが、これはほとんど材料視されず、むしろこの日の下げは27日の米国債の下げによる影響が大きかった。米10年債の利回りは利回りは前日の2.48%から2.65%と大幅に上昇し、米30年債の利回りも前日の3.51%から3.70%に大きく上昇していた。

これを受けて30日に現物20年119回債は12毛5糸甘の1.820%まで打たれ、10年債利回りも10毛5糸甘の1.105%に上昇した。ここにきて非常にボラタイルな動きとなり、まさに相場に変化が訪れてきている。

この日は午後に入り、売られていた10年債や20年債主体に押し目買いが入り、309回債は朝方の1.105%から1.025%へ、20年120回も朝方の1.835%から1.730%に大きく切り返した。さらに30日の米国市場で米債は大幅反発となり、10年債利回りは27日の2.65%から今度は2.53%に急低下した。

もしも日本の債券相場の上昇基調が崩れるとすれば、2003年6月のときと同様に米債の下落が大きな要因となると考えられている。このため、30日に米債がいったん戻したことで、31日に債券先物は143円台を回復し、10年債利回りも0.965%まで回復した。

31日に米債はさらに買われて2.48%をつけたにも関わらず、9月1日の債券市場では超長期債主体に急落の展開となった。そのひとつの要因が10年国債の入札である。2003年6月の債券急落の背景には米債の反落もあったが、大きなきっかけとなったのは国債入札であった。国債入札には投資家の投資意欲がその結果に反映されやすいためである。

9月1日の10年国債(利率1.0%、310回債)の入札結果は、最低価格が99円45銭、平均落札価格は99円55銭となり、最低落札価格は事前予想を下回った上、テールは前回の2銭から10銭に伸びたことや、応札倍率も3.16倍と前回の4.18倍から低下するなど低調なものとなった。

この結果はあまり良くはないとは言え、相場下落を誘発するほどの結果ではない。しかし、投資家が慎重姿勢であることは、テールの延びや応札倍率に反映されている。この日の債券市場では、現物債は10年309回債が一時7.5毛甘の1.035%、20年120回債が9.5毛甘の1.755%、30年32回債が10.5毛甘の1.790%が打たれ、イールドカーブはスティープニング圧力を強めた。

この動きを見る限りにおいて債券相場が調整局面入りした可能性が強いと見られる。そして、その大きな要因となりうる材料も浮かび上がってきた。民主党代表選挙への小沢氏の正式な出馬である。

菅氏と小沢氏の一騎打ちの様相となったが、数を争う選挙において小沢氏の右に出るものはいないであろう。負ける戦に出ることも考えづらい。国民の意識としても怖いもの見たさもあろうし、この剛腕ぶりを発揮して不透明な政局を乗り切ってくれるのではとの期待感もあるのかもしれない。これにより、小沢氏有利と見たほうが良いのではなかろうか。

しかし、小沢氏は当初の民主党マニフェストの政策を実施することを明言し、その資金の手当に国有財産の証券化の可能性を示唆したそうである(代表選立候補に伴う菅首相との共同会見で政策実行の財源について、600兆円の国の資産のうち200兆円くらいは証券化できる考えもあると指摘、ブルームバーグ)。

証券化で得た資金で当初のマニフェストに沿った政策費や来年度予算の膨張に対応するとなれば、本来ならば国債の残高圧縮に使うべきものを使ってしまうことともなり、さらに政府債務の返済能力が減退することになる。

国債の増発を抑えることは財政規律を守る上で重要ではあるが、そもそも膨大な借金を減らす努力が先決であり、それに逆行するかのような政策を取る可能性が出てきた。小沢氏ならば財源はどこからでも探し出すとの意見は以前からあったが、これでは国の債務は減るどころか返済不能に向けて突っ走ることになりかねない。

そのあたりの状況をここにきての債券相場は嗅ぎとっているのではないか。今回は特に米債が下げずとも、国内要因によって10年国債が0.9%割れまで買い進まれた債券のミニバブル相場がはじけ飛ぶ可能性が強まった。このシナリオは、もちろん代表選で小沢氏が勝利するとの前提ではあるが。
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by nihonkokusai | 2010-09-01 18:27 | 債券市場 | Comments(0)
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