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「過去の長期金利の1%割れ(その2)」

世界的な金融システム不安の台頭により、日銀は1998年9月9日の金融政策決定会合において、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%に引き下げるという金融緩和策を決定した。この3年ぶりの金融緩和を受けて10年国債の金利は0.7%にまで低下し、債券先物は10月7日に139円56銭とそれまでの最高値をつけた。

1998年の小渕政権成立後、次々に経済政策が打ち出された。1998年11月16日に発表された緊急経済対策の財源として、12兆円を上回る国債が第三次補正予算にて手当てされた。翌17日には、米国格付け機関ムーディーズが、日本国債の格下げを発表した。公的部門の債務膨張も、格下げの大きな理由であった。国債の増発と海外格付け機関による国債の格下げは、債券市場参加者による国債への信頼性を次第に低下させていった。

1998年の年末に、1999年度の国債発行計画が発表され、そのなかで大蔵省資金運用部の引き受けが減少し、国債の市中消化額が急増することが明らかされた。また、大蔵省資金運用部による国債買い切りオペの中止も発表された。

経済対策に伴う国債増発が影響し、1999年の1月から長期国債は、月々1兆8千億円と、一気に4千億円も増額される見通しも出された。日銀の速水総裁は、日銀による大量の国債保有に対して「自然な姿ではない」とのコメントを出したことなどから、日銀も自ら大量に保有する国債について危惧を表明した。

債券市場にとって需給悪化を主体とする悪材料が重なったことで、12月22日にJGB先物はストップ安をつけるなど債券相場は急落。これはのちに「運用部ショック」と呼ばれたのである。1999年2月に長期金利は2.440%まで上昇したが、これが直近での長期金利の最高利回りとなった。
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by nihonkokusai | 2010-08-26 12:40 | 債券市場 | Comments(0)
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