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「日銀の現体制下でのインフレ目標導入の可能性は薄い」

 現在の福井日銀総裁がインフレ目標といったものを導入することはないと思われる。欧州などではインフレ目標政策を導入しているところが多く、また日本でも学者を中心に「インフレターゲット」を導入するように求めた経緯があった。しかし、前任の速水総裁も現在の福井総裁も、その導入に対しては面と向かっての反対は表明しなかったものの、のらりくらりとかわしててきているように思われる。

 10月3日の衆院予算委員会でも導入を強く勧めていた質問者に対して、「透明性を高めるためのひとつの枠組み、道具立てである」との認識をまず示したが、「オールマイティーであるという考え方は取っていない」と、その導入については否定的なコメントをしている。

 執行部のひとり岩田副総裁は副総裁就任前からインフレ目標の導入には積極的と見られ、竹中大臣の意向といったものも意識されてはいるが、現在の日銀の金融政策を決定しているキーマンである福井総裁自身がその導入に否定的である限り、その導入の可能性はないと言える。審議委員においても積極的に導入すべきとの意見は少なく、その有効性を認めることはあっても導入に踏み切るべきとの主張は見えていない。

 ただし、正常時に戻った際には検討課題との意見も見られていることも事実であり、完全に否定されているわけではない。また、仮に米FRB の次期議長が、もしインフレ目標政策を導入した際には、世界の主な中銀が採用したこととなり、将来、日銀としてもその導入の検討をする可能性は否定できないことも確かではある。

 現在の日銀が無理にインフレ目標を導入する必要性を感じず、その動きに対して否定的な姿勢を示せるのは、やはりインフレ目標導入に反対しているグリーンスパン議長の存在が大きいのではないかと、個人的には思っている。

 そしてまた、日銀はすでに擬似的なインフレ目標を導入しているのではないかとの意見もあろう。量的緩和解除に際しての条件がつけられていることこそ、確かにインフレ目標と言えなくもない。しかし、福井総裁はできれば条件が整い次第、すみやかに「正常な状態」に戻したい意向も強いものと思われる。その正常な状態という中には、あらためてインフレ目標政策を取るといったことは意識されていないものと思われる。
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by nihonkokusai | 2005-10-07 10:45 | 日銀 | Comments(0)
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