牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「予算総枠の71兆円は努力目標なのか」

政府は26日に、予算編成に関する閣僚委員会を開き、2011年度予算の概算要求基準の原案をまとめた。成長戦略やマニフェスト(政権公約)関連の新規政策に重点配分する「特別枠」について「1兆円を相当程度超える額」で決着し、民主党が要望した2兆円規模から圧縮。また、各省庁の要求額は原則1割削減とする方針も決めた(ロイター)。

概算要求基準の原案のポイントは、予算総枠を71兆円にしたことと、社会保障費を除いて各省庁の予算を1律10%削減としたこと、1兆円超の特別枠を設け、その配分はコンテストで行うこと、などである。

この1兆円超の特別枠(元気な日本復活特別枠)とは、新たな政策効果の高い政策に重点配分をするためであり、配分については、外部の意見等も踏まえ、政策の優先順位付けを行なう政策コンテストを国民に開かれた形の公開手法で実施する。最終的には総理大臣の判断によって、この予算の配分を決めるとしている。

ここで注意すべきは、政府は自主的な削減上積みを促すために、1割を超えて削減を上積みした閣僚に対しては、削減上積みの3倍まで「特別枠」予算を追加要望することを認めるとの点である(24日付日経新聞)。

追加要望がどれだけ認められるかによるが、これでは実質的な削減にはなりえない。それ以前に、一律10%カットそのものに閣内からすでに異論が出るなど、削減自体の実行力にも疑問が生じる。

そもそも71兆円の枠内で、新規国債発行の発行額を44.3兆円に留めるとなれば、2兆円の特別枠そのものの財源をねん出することも困難となる。社会保障関係費と地方交付税交付金を除く基礎的財政収支対象経費は25兆円弱であり、その10%を仮に削減できたとして、2兆円を超える財源が生まれるが、社会保障関係費の自然増1.3兆円を除くと残りは1兆円程度にしかならない。

以上の点から見る限り、歳出削減そのものの現実性に疑問が残る。具体的な歳出削減についての議論はこれから本格化するとみられるが、予算総枠の71兆円という数字が、あくまで努力目標に過ぎなくなる可能性も現時点では強い。それはすなわち2011年度の新規国債の増額圧力に繋がりかねない。
[PR]
by nihonkokusai | 2010-07-27 12:50 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31