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「注目の2011年度の国債発行額」

政府は本日の閣議で2011年度予算の概算要求基準(シーリング)の骨子をまとめる。国債費を除く一般会計の歳出総額は今年度並みの71兆円とし、その範囲内で歳出を組み替える方針を示す方向と伝えられている。

民主党政権は首相直属の国家戦略室を設置し、ここで予算の基本方針「財政運営戦略」などを策定してきた。しかし、国家戦略室の機能強化を目指した法案が参院選の民主党敗北により成立が困難になり、実質的に国家戦略室の機能が縮小される。

2011年度予算の概算要求基準策定には、国家戦略室の代わりに仙谷由人官房長官や玄葉光一郎民主党政調会長の二人を関与させ政治主導の形とするとしているが、実質的には財務省が主導するのではとの見方も強まりつつある。

その2011年度の予算編成における最大の注目点が、菅首相が繰り返し述べていた新規国債の発行額を2010年度(44.3兆円)以下に抑制できるかどうかである。野田佳彦財務相は新規国債発行額を今年度当初の44.3兆円以下に抑制する「精神」は変わらないと述べたそうだが、現実にはかなり厳しい数字であることに変わりはない。

財務省の「後年度影響試算」では、もしマニフェストの新規の実行を凍結しても、社会保障費の自然増(約1兆円)などで、2011年度予算は2010年度比で1.6兆円多い93.9兆円に膨らむ見込みだが、これを政府は今年度並の92兆円規模の想定としているため、かなりの削り込みが必要となる

また、国債発行を除いた税収と税収外収入については2011年度は、税収が38.7兆円、その他収入が3.9兆円と2010年度比5.4兆円減の42.6兆円となるとの試算となっている。特にその他収入については、すでに埋蔵金に頼るには限度があることで、大幅な減額となる見込みである。

ちなみに税収について、財務省が29日発表した2009年度の国の一般会計決算概要によると国税収入は38兆7330億円となり、第2次補正予算での見積もりの36兆8610億円を約1.9兆円上回った。この上振れにより1.5兆円分の国債発行を取りやめることとなり、その分のバッファーはできることとなる。

それでも、2011年度の国債発行額を今年度以下に抑えるのはかなり難しい。参院選での民主党の敗北により、消費税引き上げよりも地方を意識してのバラマキ型の予算となる可能性も出てきている。

いまのところ債券市場では、財政リスク・プレミアムは完全に無視された格好となり、長期金利は1.1%割れともなっている。しかし、2011年度の国債発行額が結局、50兆円規模に膨らむようなこととなり、先行きについても財政再建の動きが頓挫するようなことが予測されるようなことになれば、それはいずれ国債への信用力に影響してくるはずである。
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by nihonkokusai | 2010-07-20 15:50 | 国債 | Comments(0)
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