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「中国による日本国債の購入拡大」

7月6日付けの日経新聞の朝刊によると、今年に入り中国が日本国債の購入を拡大させてきており、1~4月だけで累計5410億円もの買い越しとなった。その多くは期間1年以内の短期債とみられる。

財務省によると、2005年以降の証券売買で買い越しとなったのは2005年の2538億円と2006年の2091億円、2008年の378億円の3年で、今年はすでに1~4月だけで過去最高だった2005年の2.1倍の買越額を記録した計算となる。

今年1~4か月間の短期債の買越額は5177億円で、中長期債は234億円の買い越し。4月単月でみると買越額は1978億円で、海外勢では英国に次ぐ2位となっているそうである。

中国からの国債買いは急拡大する外貨準備の運用が大半とみられ、人民元相場を維持するための中国人民銀行がドル買い介入により、今年3月末時点で外貨準備高は2兆4471億ドルまで積み上がっている。

外貨準備を管理する国家外貨管理局は運用方針について「ドル、ユーロ、円など主要通貨のほか新興国の通貨で構成する」としている。2008年のリーマン・ショックをきっかけにドルに偏った外貨準備の運用を「多様化」する方針を表明し、それが結果としてユーロの比率を高めることとなった。しかし、ギリシャの財政問題により今年に入りユーロが下落したことで、外貨準備の増加分をユーロからドル、そして円に振り向けたことで、中国による日本国債購入の増加につながったとみられる。

日本国債の全体に占める海外の保有比率はわずかに4.6%に過ぎない(3月末現在、国庫短期証券は除く)。ここにきて海外による保有比率は低下傾向にあったことで、中国が中長期債含めて投資を増加させてくると、海外保有比率の低下に歯止めがかかる可能性がある。

中国はすでに米国債の最大の保有国になっている。日本国債についても今後は中国による保有を意識しておく必要がある。日本国債への海外投資家による保有増は、保有層の裾野を広げる意味で必要不可欠である。特に国内資金でカバーできる余裕が残り少なくなりつつある中、いずれは海外投資家にある程度頼らざるを得なくなることで、海外の保有比率の引き上げは大きな課題である。その中にあり、中国への依存度は今後も大きくなる可能性がある。

海外保有が高まると日本国債の売却のリスクが高まるとの見方もあろう。しかし、日本国債の安定消化こそが重要であり、国債への信認を維持させられれば海外投資家による財政破綻を意識した売りなどは抑えられるはずである。
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by nihonkokusai | 2010-07-06 11:37 | 国債 | Comments(0)
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