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「内閣府の試算」

少し前のことになるが、内閣府が6月22日に発表した経済財政の中期試算を見てみたい。http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h21chuuchouki.pdf

試算のための想定として世界経済が「順調回復シナリオ」、「急回復シナリオ」、「底ばい継続シナリオ」に分けている。消費税については、2011年度から2015年度にかけて消費税率5%引上げ(試算の便宜上毎年度1%ずつの引上げを想定)、ただし「底ばい継続シナリオ」は消費税率を引き上げず、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げ、高齢化の進展に伴い自然に増加する公費負担のみ対応としての試算している。

この中で、公社債等残高は2009年度末の786.8兆円を起点に、それぞれのシナリオによる試算によると「順調回復シナリオ」、「急回復シナリオ」でも2020年度には1000兆円の大台に乘せる。さらに「底ばい継続シナリオ」では2015年度に1000兆円の大台に乗せ、2023年度には1388.8兆円に達するととの試算となっている。参考までに家計の金融資産は2010年3月末現在で1452兆円7512億円となっており、ほぼそれに匹敵する規模となる。

10年先の景気動向を判断するのはたいへん難しいことであるが、この3つのシナリオの中で最も蓋然性が高そうなのは「底ばい継続シナリオ」ではないであろうか。もしくは新興国の景気回復が更に進むようなこととなれば「順調回復シナリオ」の可能性もある。しかし、「急回復シナリオ」は現時点では描きにくい。

いずれにせよ、公社債等残高そのものが個人の金融資産と同額にまで膨らむリスクがあることが、この試算からも伺える。別途、個人の金融資産でどこまで国債購入が可能なのかの試算もあれば、さらに危機感は強まるのではなかろうか。国債消化について個人の金融資産に依存するのには限界があることも確かであり、そのための対策を講じる必要がある。4.6%にまで落ち込んだ海外投資家の保有比率の引き上げや、安定保有層としての個人の直接保有比率の引き上げがまず必要となろう。
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by nihonkokusai | 2010-07-02 11:27 | 国債 | Comments(0)
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