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長期金利は1.1%近くまで低下する可能性も

 ギリシャの財政問題を発端とした欧州諸国の財政問題を受けて、欧州連合は5月10日に過去最大規模となる最大7500億ユーロ規模のユーロ圏支援基金と証券買い取りプログラムを公表した。また10日からは、欧州の中央銀行が1999年のユーロ発足以来初めて国債の買入を実施するなど異例とも言える政策も実施された。

 しかし、欧州での緊縮財政措置はそれだけ欧州各国の財政問題の深刻さを示すとともに、財政再建によりユーロ圏の経済成長を圧迫し、それが世界経済にも影響を与えるのではないかとの懸念が強まった。さらにドイツ政府が国債などの空売り規制を導入するなど規制強化の動きによりリスク回避の動きが強まり、日欧米市場での株安を誘い、安全資産として円、さらに米国債・ドイツ国債とともに日本国債も買い進まれる結果となった。

 5月20日に発表された1~3月期GDP一次速報値は実質で年率プラス4.9%となった。事前予想をやや下回るものの、個人消費は前期比プラス0.3%、住宅投資もプラス0.3%、設備投資もブラス1.0%とそれぞれブラスになるなど、景気回復を裏付けるものとなった。

 ところが日経平均株価はGDPが発表された5月20日に1万円の大台を割り込むなど、株価は下落基調を辿った。欧州の財政問題によるリスク回避の動きにより、米国株式市場が下落したことに加え、ユーロ円は20日に一時110円を割り込むなど外為市場での円高進行により日本株への売り圧力が強まる格好となった。

 今後のマーケットの動向を読む上で、注目すべきは欧州の財政問題の行方であろう。ギリシャの財政問題は根本的には本格的な財政再建が可能かどうかである。さらにスペインやポルトガルの財政再建の行方についても注意して見て行く必要がある。ただし、この問題は簡単に解決できるものでもない。欧州の財政問題は長期化し、これを受けて日本の長期金利の低位安定が続く可能性が高い。

 今後の債券相場を読む上で、日本の長期国債先物の中心限月の建て玉の動向に注目してみたい。2008年9月のリーマン・ショック後にヘッジファンドなど海外投資家がデリバティブのポジションを解消する動きを強めた。このため日本の長期国債先物の建て玉は比較的に低い水準を維持してきた。ところが今年の4月中旬あたりから増加傾向となり、8兆円台にまで回復している。

 過去の債券先物相場と建て玉の動きはある程度連動していることがグラフからも読み取れる。それは2008年の動きを見てみるとはっきりと分かる。リーマン・ショック以降は相場もレンジ相場となるとともに、建て玉は若干増加はしたが総じて大きな変動はなかったと言える。

 4月中旬以降は建て玉の増加とともに、相場自体も上昇しつつあり先物中心限月は140円台を回復した。建て玉も増加傾向は始まったばかりとも言えることで、同時に相場も上昇傾向となる可能性が高いとみている。長期金利は1.1%近くまで低下する可能性もありうる。
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by nihonkokusai | 2010-05-24 12:41 | 債券市場 | Comments(0)
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