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「欧州発の危機対応」

 ギリシャなど欧米諸国の財政不安にともなう市場の動揺に対し、いろいろな対応策が講じられる。

 欧州連合(EU)は10日に過去最大規模となる最大7500億ユーロ規模のユーロ圏支援基金と、証券買い取りプログラムを公表した。ユーロ圏向け融資の枠組みでは、ユーロ圏諸国政府が計4400億ユーロの資金を提供可能とし、EU予算からさらに600億ユーロを拠出、これに加えて、国際通貨基金(IMF)が最大2500億ユーロを拠出するとか(ブルームバーグ)」

 また、レーン欧州委員は、欧州中央銀行(ECB)が国債の流通市場に介入することを決定したと伝えた(ロイター)。これは政府や民間企業発行の債券をECBが購入する市場介入措置とみられ、ギリシャやポルトガルなどの国債も対象になると予想される。

 そして、欧州の米ドル短期金融市場における緊張が再び高まっている状況を受け、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、米国連邦準備制度、スイス銀行は、時限的な米ドル・スワップ取極の再締結を公表するとし、日銀も同様の措置の導入に向けて速やかに検討を行うこととし、11時から臨時の金融政策決定会合が開催された。臨時の決定会合では、政策金利は全員一致で現状維持としたが、米FRBと米ドルスワップ協定の再締結、そしてドル資金供給オペの再開を決定した。白川総裁はBIS会議でスイスに出張中のため、山口副総裁が14時から記者会見する。

 また、本日日銀は2営業日連続で2兆円の即日資金供給オペを通知した。結局、落札金額は5945億円と今回も札割れとなったが、日銀も欧州発の信用不安の連鎖を断ち切るべく、早め早めに対応している姿勢を示した。

 ギリシャの財政懸念がポルトガルやスペインにも波及に、外為市場ではユーロが大きく売られ、株式市場も下落した。ギリシャやポルトガル、スペインの国債の利回りも上昇し、ロンドンでの銀行間での取引金利、つまりLIBORの3か月物ドル金利や3か月物のユーロ金利が上昇するなどそれぞれの国の国債を抱える銀行への影響なども、懸念されていた。

 これら一連の対応策が発表され、10日の外為市場ではユーロ円が一時120円台を回復し、東京株式市場も米株は下げていたものの、寄り付きから下げ渋りの展開となった。

 とりあえずセーフティーネットが構築され、これにより多少なり不安心理が後退する可能性がある。実際にはギリシャの財政再建の行方が焦点となるが、国民が納得した財政再建が可能となるのかどうか。市場の動揺を完全に押さえ込むには時間もかかりそうである。
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by nihonkokusai | 2010-05-10 13:12 | 国際情勢 | Comments(0)
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