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「米国市場でのパニック的な動き」

 6日の米国市場は、まさにパニック的な動きとなった。米ダウ平均は一時前日比998.50ドル安と取引時間中では過去最大の下落幅を記録し、リーマン・ショック時の下げ幅をも超えた。この米株の大幅な下げの要因は、ギリシャやポルトガルなど南欧諸国の財政問題などがあるが、株の下げを加速させたとは、どうやら誤発注が要因ではなかったかとの指摘がある。

 確かに、特に大きな材料が出たわけではない中でのこの急落は、そういった技術的なものである可能性が高い。WSJによると、シカゴ・マーカンタイル取引所のe-minisで1600万単位とすべきを160億単位としたのではないかとの指摘がある。また、プロクター・アンド・ギャンブル社やスリーエムなどダウ平均構成銘柄の一部が急落するなど、不自然な動きも指摘されていた。

 一時1万ドルを割り込んだダウ平均はさすがに引けにかけて値は戻したが、結局、前日比347.80ドル安の10520.32ドルで引けた。この米株のパニック的な売りにより、質への逃避の動きから米債は買われ、10年債利回りは一時3.26%にまで急低下した。結局、株の下げ幅縮小で米債は戻り売りも入ったが、それでも米10年債利回りは前日比0.15%低下の3.39%に。米2年債利回りも一時0.65%まで低下して、同0.08%低下の0.78%に。

 このパニック的な動きは当然ながらも、外為市場にも波及し、質への逃避の動きが強まると何故か、安全資産と見なされているらしい円が買われる構図となり、米長期金利の低下による日米金利差縮小なども意識され、円買いドル売りが進行し、ドル円は一時87円95銭をつけた。円は対ユーロでも大きく買われ、ユーロ円は一時110円49銭をつけた。さすがにこの急激な円高は多少修正されたものの、今朝のオセアニア時間でのドル円は90円70銭近辺、ユーロ円は114円50銭近辺と昨日のドル円し93円台、ユーロ円は120円台に比べると、かなりの円高となった。また、ニューヨーク原油先物も急落しており、時間外取引で一時74.58ドルまで下げ、金先物はリスク回避の動きからやはり時間外で1200ドル突破した。

 米株式市場の誤発注が要因であったとしても、これだけ他市場に影響が出たということは、それだけ市場は神経質になっているとも言える。ギリシャの財政問題が長期化し、それが他の国々にも影響を与えており、対策は講じられても、不安心理は沈静化せず、むしろさらに高まってきているとも言える。

 この円高と米株安を受けて、本日の東京株式市場は大幅下落となり、前日比400円を超す下げとなったが、日銀は前場寄り付き後に全店方式の共通担保資金供給オペで2兆円を即日供給した。即日供給オペは追加緩和が実施された翌日の2009年12月2日以来約5カ月ぶりとなる。

 日銀は「潤沢に資金供給することで市場の安心感を高めるのが狙い。国内市場で問題が起きているというようなことを認識しているわけではない」(金融市場局)とコメント(ロイター)。米国市場でのパニック的な動きの影響による急激な円高と株式市場の大幅下落を意識した動きと思われる。

 債券市場では6日の寄り付きとまったく同じように買い気配を切り上げて、140円08銭で寄り付いた。ちなみに6日の寄り付きは140円07銭。また長期金利も昨日同様に1.250%に低下した。米市場のパニック的な動きにより、質への逃避として「安全資産」としての円や日本国債に資金が向かった。しかし、本当に日本国債は安全資産と呼べるものなのか。いまのところ信認されていることは確かであろう。しかし、その信認にクエスチョンマークが少しでも付くようだと、リスク資産に転じてしまう可能性がないとは言えない。いったん信頼に傷がついてしまうと今回のギリシャ国債と同様なことが起き得る。この点は十分注意すべきことである。
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by nihonkokusai | 2010-05-07 09:47 | 債券市場 | Comments(0)
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