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「低迷続ける個人向け国債の販売」

 4月15日発行の「2010年春の個人向け国債」の販売額は5年固定金利型と10年変動金利型を合わせて1903億円となり、一回あたりの販売額としては前回の2412億円を下回り、過去最低を更新した。

 5年固定金利型の販売額は1427億円と前回の1866億円を下回り、2006年1月の発行開始以来の最低水準となった。10年変動金利型も476億円と低迷した。

 今回の5年固定金利型の利率は年率税引き前で0.48%となり、前回の0.44%は上回ったものの、5年固定金利型の利率としては過去最低水準に近い。

 また10年変動金利型の初期利子は0.53%となり、今回も前回同様に5年固定型の利率を上回った。これを受けて10年変動金利型の販売額の落ち込みはさほど大きくはなかったが、販売額そのものは低迷している。

 長期金利の低位安定が続き、これはこれで国債価格が安定していることになるが、個人向け国債の販売については利回り重視であることで販売額が回復していない。

 国債投資家層の裾野拡大のためには、この個人投資家と海外投資家の保有額拡大が必要であろう。しかし、日銀の資金循環統計から見た国債の投資家別の保有状況からは、2009年12月末現在、海外が35兆6664億円で5.2%、家計が35兆0250億円で5.1%に過ぎない。2009年9月末現在では海外が39兆4403億円で5.8%、家計が35兆4713億円で5.2%となっており、特に海外投資家は日本国債の残高を減少させている。

 海外向けIR活動や個人向け国債の発行など財務省の国債販売努力により、全体に占める海外と家計の比率は伸びてきていたが、ここにきてブレーキがかかっている。その背景には銀行などの国債保有が伸びている面もあろう。しかし、今後の国債需給を考えれば海外や家計の比率を伸ばす必要がある。

 次回の個人向け国債の発行は7月となるが、この7月から3年固定金利型の発行がスタートする。

 個人投資家は国債投資に対して、なるべく期間の短いものを求める傾向があるため、3年固定金利型の販売額に期待したい。しかし、現在の利回り水準からは3年固定金利型利率が0.2%台となるため、この水準で果たしてどれだけ売れるかは疑問である。

 景気回復やデフレの解消などに伴う良い金利上昇により、多少でも個人向け国債の利率が上昇し、販売額が増加してくれると良いのだが、いまのところそういった動きにもなく、当面は個人向け国債の販売額は伸び悩みとなりそうである。今年度の個人向け国債の販売額は、国債発行計画によると2兆円となっている。
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by nihonkokusai | 2010-04-20 10:46 | 国債 | Comments(0)
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