「ニューヨーク証券取引所が国債先物に参入」
米国債先物やドル金利先物は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の寡占状態にあり、そこに風穴を開けようとの動きか。上場するのは2年、5年、10年、30年先物とユーロドル金利先物で、今年7~9月に取引を開始し、10~12月に書く先物のオプションも上場予定だとか。
2000年9月に欧州のパリ証券取引所、アムステルダム証券取引所、そしてブリュッセル証券取引所の3つの証券取引所が合併し、ユーロネクストが設立された。 現物取引および先物などのデリバティブ取引のシステムを、国を跨いで統合することによりクロスボーダー取引を容易にさせ、さらに流動性の向上を図ることが狙いであった。
2002年には、ポルトガルのリスボン証券取引所とロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)が加入した。ちなみに日本国債の先物はLIFFEに上場されているが、ユーロネクストのデリバティブの取引部門はLIFFE傘下に統合された。
2007年にユーロネクストは、ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEグループと合併した。これにより初の大西洋をまたぐ世界最大級の証券取引所グループが誕生したのである。社名も「NYSEユーロネクスト」となり、その本部は米国のニューヨークに置かれた。
米国を代表するデリバティブの取引所と言えば、CMEグループがある。1848年に設立された世界初の先物取引所といわれるのがシカゴ商品取引所(CBT)である。そして、1972年5月にニクソン。ショックを契機としてシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で、通貨先物取引が開始された。また、1975年にシカゴ商品取引所(CBT)で初めて政府機関債の先物と金先物が上場され、1977年にアメリカ長期国債先物の取引が開始された。1976年にはCMEでユーロ・ドル金利先物が上場され、1982年に株価指数先物、さらにCBTでは派生商品の派生商品ともいえる株価指数先物オプションが導入された。こうして現在行われているデリバティブ取引の多くがスタートしたのである。 このシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)とシカゴ商品取引所(CBOT)が合併して誕生したのがCMEグループである。
CMEグループはロイターと共同開発したグローバルで24時間取引が行える電子取引システムのグローベックス(Globex)も提供している。グローベックスではNASDAQ-100をはじめとする株価指数に加え、米国債の先物や多様な通貨、さらに原油・金などのコモディティなどのデリバティブ商品(先物、オプション)が終日取引されている。