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「良い金利上昇と悪い金利上昇のハイブリッド化」

 米国では4月5日に長期金利が4%台に乗せてきた。この背景には米経済指標を受けての米景気の改善観測がある。つまり良い金利上昇と言える。

 2日に発表された3月の米雇用統計では、非農業雇用者数は前月比16.2万人増となり市場予想は下回ったものの、民間部門の雇用改善が意識された。5日に発表された3月ISM非製造業指数は2006年5月以来の高水準となり、製造業だけでなくサービス業も回復基調が顕著となってきた。

 米国の経済回復の背景には、中国など新興国の経済成長がある。これは当然ながら日本経済にもプラス要因となっている。4月1日に発表された日銀短観では、大企業製造業DIはマイナス14と大きく改善した。ただし、新興国の経済成長は資源価格の上昇も招き、ニューヨーク原油先物は5日に一時86.90ドルと1年半ぶりの高値をつけた。

 日本の長期金利は3月に昨年11月以来となる1.4%をつけてきた。この背景にはギリシャの財政懸念などを受け、日本の財政悪化を意識しての海外ファンドなどからの仕掛け的な売りがあった。しかし、ギリシャの財政懸念などを背景としての悪い金利上昇は、次第に影を潜めてきた。

 3月末の国内投資家による10年債主体の押し目買いにより、10年債利回りは30日の1.400%から4月2日には1.350%まで低下した。しかし、その後は米長期金利の上昇などから日本の長期金利も再び上昇基調となっている。

 そしてここにきての円安株高も日本の長期金利上昇の要因となりつつある。リスク回避の動きの反動によりこれまで買われていた円がドルやユーロに対して反落し、この円安や景気回復を受けて、日経平均株価は11000円台で堅調に推移している。

 当面の日本の長期金利は、米金利上昇や円安・株高などを背景として、再び上昇圧力を強めることが予想される。日本の景気回復も顕著となれば、日銀も追加緩和策に動くための名目を失うこととなり、「デフレ」を理由としての金利低下圧力も後退してくる可能性がある。

 そこに日本の財政悪化を意識した悪い金利上昇も加わってくる可能性がある。国内資金で95%を賄っている日本国債には、財政悪化は意識されていても本当の意味での危機意識に欠けている面がある。しかし、来年度の新規国債の発行額がすでに50兆円を超すとの予想も出ているなど、先行きを考えればいくら現状が経常黒字国とは言え、今後もこれだけの国債が消化可能という保証はない。それは国債を主に購入している投資家が最も敏感に感じている部分でもなかろうか。

 このため、今後は良い金利上昇と悪い金利上昇のハイブリッド化が進む可能性も否定できない。つまりはファンダメンタルズの改善と国債需給悪化懸念が債券相場の上値を抑えてくる可能性がある。長期金利の急上昇は考えづらいが、じりじりと上昇基調を強めて、目先は1.5%をうかがう場面もありそうである。
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by nihonkokusai | 2010-04-06 09:50 | 国債 | Comments(0)
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