「EUとIMFによるギリシャ支援」
EU加盟国ではハンガリーやラトビア、ルーマニアが金融危機でIMFの融資を受けたが、ユーロ圏の国がIMFの融資を受けることになれば、1999年のユーロ導入以来、初めてとなる。
支援策では、ギリシャが4~5月に、総額220億ユーロ(2兆7100億円)の国債を自力で償還できない場合、ユーロ圏16カ国による2国間融資と、IMF融資を併用し実施するという内容。6カ国は全融資額の3分の2を負担、IMFは3分の1を引き受ける。16カ国のそれぞれの負担割合は、欧州中央銀行(ECB)への出資比率に応じて決める(産経新聞)。
ただし、実際の発動には欧州中央銀行と欧州委員会が是非を判断し、ユーロ圏16か国の全会一致の決定が必要となり、補助金と受け取られないような比較的高い金利を適用との厳しい条件もつけられている(日経新聞)。
単一通貨で為替調整が不可能であり、国を跨ぐ中央銀行の存在による金利調節もできない状況下、こういった枠組みを取らざるを得なかったが、なにはともあれこれによりギリシャの財政問題への懸念はいったん後退した。
しかし、フィッチはポルトガルの格付けをAAからAAマイナスに引き下げるなどしており、英米などを含めての財政問題は今後の大きな課題となりうる。ギリシャについては債務規模を隠蔽するなど財政問題そのもの以外の問題を抱えていたことで、やや特殊な事例との指摘もあるが、それでも根底にはリーマン・ショック以降の先進諸国の財政出動による財政悪化が影響していたことも確かである。