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「ギリシャのデモはいずれ日本でも(レポート原稿)」

 3月11日のギリシャ全土での官民の二大労組連合組織による24時間のゼネストにより、ギリシャの社会機能はマヒ状態に陥った。空港、鉄道、病院、学校、銀行などが一斉に休止したそうである。首都アテネでは警官や消防士も参加し約2万人がデモ行進し、投石により警官隊と衝突した。これは財政危機からの回復のため、給与凍結、増税などの緊縮策を進めるパパンドレウ政権に対しての抗議だけに、警備している警察官も複雑な心境とも思われる。

 先月、私は霞ヶ関で久しぶりにデモ行進を見かけた。乗っていたタクシーの運転手も最近はめったにデモ更新を見なくなったと言っていたが、日本でのデモがニュースで報じられることもあまりなくなってきている。しかし、ギリシャの問題は対岸の火事ではなく、いずれ日本でも同様のことが起こりうるのではなかろうか。

 ギリシャなどのユーロ導入国は、単一通貨ユーロの安定のため、財政赤字をGDP比3%以下にすると定められている(安定・成長協定ルール)。厳密にはリーマン・ショックの影響などからそのルールは守られてはいないものの、ルールの存在自体は財政規律を促す働きをしていることは確かであろう。

 ところが、菅副総理兼財務相が債務残高は金メダル級と豪語した日本では、ユーロ導入国のように財政規律に対して明確なルールがない。ちなみに米国では合衆国憲法に基づいて連邦議会が定めた第二自由公債法において国債残高に制限額を課している。

 日本では国債発行額に歯止となるものがないため、2009年度の新規国債の発行額が税収を上回るという異常事態すら迎えている。

 その分、国債発行額はもし本当に国債が消化できないという事態になったときには、すでに対処のしようがない状態になってしまっている可能性がある。

 そういった状況を国民も薄々は感じているものの、本当の意味での危機意識は薄い。そのために、政府の対応も真剣さが感じられない。政府は6月初めを目途に成長戦略実行計画を含めた成長戦略のとりまとめとともに、中期財政フレームについてまとめる予定となっている。

 しかし、中期財政フレームに関して具体的な数値目標が出される気配が今のところ感じられない。具体的な数値目標を出すとなれば、消費税引き上げがその前提条件となるため、鳩山首相が在任中には引き上げないとの公約に反することが、数値目標が出せない要因であろう。

 危機的な財政の中にあって、こういった公約やマニフェストに縛られて財政規律に向けて身動きできない現政権に対し、夏の参院選で国民の審判がどのように下されるのか、注意深く見守る必要がある。
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by nihonkokusai | 2010-03-16 10:27 | 国債 | Comments(0)
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