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日本国債先物取引が登場して今年で四半世紀

 長期国債先物取引が東京証券取引所に上場したのが1985年10月であり、まもなく四半世紀を迎える。何故、日本の金融市場で初めての先物市場が四半世紀前に登場したのか、当時の様子を振り返ってみたい。

 1985年6月、銀行による国債の「フルディーリング」が認められた。これにより、銀行が大量に保有する国債を市場で自由に売り買いできるようになった。ところが、当時はまだレポ取引といった債券の貸借取引が整備されておらず、国債の価格変動リスクをヘッジする手段がなかった。金融市場の国際化や自由化の進展もあり、そこで米国市場などで活発に利用されていた先物取引を、まずは債券市場で導入しようとの機運が高まったのである。

 1984年の証券取引審議会公社債特別部会で、市場創設に向けての具体的な検討が行われ「債券先物市場の創設について」と題する報告書が大蔵大臣に提出された。同報告書には債券先物市場の経済的な意義について次のようなコメントがある。

1.債券の保有者、運用者、資金調達者、資金運用予定者に対して低コストで金利変動リスクを回避する有効な手段を提供する。
2.債券ディーラーによる十分な在庫の保有が可能になり、流通市場の安定と拡大に役立つ。
3.引受リスク回避手段として活用できることから、発行市場の安定と拡大につながる。
4.将来価格に関する情報が提供されることで、資産運用手段の多様化・取引の活発化に寄与する。

 また先物の仕組みとして、対象を長期国債とすること、標準物方式が望ましいこと、証券取引所において行うこと、そしてディーリング認可金融機関(つまり銀行)を直接参加させること、当面は機関投資家中心の市場とすること、証拠金・値洗い・制限値幅等の投資家保護ための制度を設けることなどが提言された。(東証『債券先物取引市場10年間のあゆみ』より)

 こうして、債券先物の参加者としては、東京証券取引所会員の証券会社だけではなく、国債を大量に保有している銀行の参入が、特別会員という資格で認められた。国債の自己売買が認められている金融機関であるディーリング認可行と非会員証券会社のうち、一定の資格条件を満たしたものについては「特別会員」として債券先物の取引所取引ができるようになったのである。

 先物の対象(標準物)となる債券としては、発行主体の支払能力が高く、債務不履行リスクが低く、発行量や残存が多く、現物の取引が活発に行われ、現物市場で価格情報が広く継続的に提供されているなどの性質が求められた。これに合致するのは国債、なかでも当時最も発行量や残存が多かった10年の長期国債であった。

 こうして1985年10月に日本初の金融先物として長期国債先物が東証に上場したのである(「日本国債先物入門」より)。
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by nihonkokusai | 2010-03-11 09:45 | 国債 | Comments(0)
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