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「日銀支店長会議総裁挨拶の前回との比較」

2010年01月、(1)世界経済は、昨年春頃から持ち直しに向かい、このところ緩やかに回復している。国際金融資本市場では、改善の動きが続いている。

2009年10月、(1)昨年秋以降同時かつ急速に悪化した世界経済は、このところ改善の動きが見られている。

世界経済の見方については「改善の動き」が「緩やかに回復」と上方修正されている。

2010年01月、(2)わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している。内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。設備投資は下げ止まりつつある。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続いているものの、各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直している。この間、公共投資は頭打ちとなりつつあり、住宅投資は減少している。

2009年10月、(2)わが国の景気は、持ち直しつつある。公共投資が増加を続けているほか、内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産も増加を続けている。設備投資の減少ペースは緩やかになってきている。一方、厳しい雇用・所得環境が続く中で、個人消費は全体としては弱めの動きとなっており、住宅投資は減少している。


国内景気については、公共投資に関する見方に変化がある。10月に公共投資が増加を続けていることが景気持ち直しの要因のひとつと指摘していたが、1月は公共投資は頭打ちとなりつつあるとし、民主党政権となってからの公共投資の抑制などが意識されている。1月の景気持ち直しの要因としては「内外における各種対策の効果」を指摘している。設備投資については1月は「減少ペースは緩やかになってきている」から「下げ止まりつつある」に改善させている。個人消費についても、10月の「全体としては弱めの動き」から、厳しい雇用・所得環境が続いているとしながらも「各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直している」とこちらも改善傾向にあることを示した。

2010年01月、(3)先行きについては、輸出や生産は、増加ペースが次第に緩やかになっていくとみられるが、海外経済の改善が続くもとで、増加基調を続けるとみられる。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続く中にあっても、各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直しの動きが続く可能性が高い。一方、設備投資は、収益がなお低水準で、設備過剰感も強いもとで、当面は横這い圏内に止まる可能性が高い。この間、公共投資は、次第に減少していくとみられる。このため、わが国の景気は、持ち直しを続けるが、当面そのペースは緩やかなものに止まると考えられる。

2009年10月、(3)先行きについては、国内民間需要は、厳しい収益環境や雇用・所得環境が続くもとで、引き続き弱めに推移する可能性が高い。一方、海外経済の改善が続くことなどから、輸出や生産は増加を続けるとみられる。また、公共投資も、当面は増加を続けると見込まれる。このため、わが国の景気は、持ち直していくと考えられる。

先行きについて、輸出や生産は10月が「増加を続ける」としていたが、1月は「増加ペースが次第に緩やかになっていく」とやや下方修正している。10月に国内民間需要は引き続き弱めに推移する可能性が高いとしていたが、1月には個人消費は持ち直しの動きが続く可能性が高いとし、設備投資は横這い圏内に止まる可能性が高いとしている。さらに公共投資については10月の「当面は増加を続けると見込まれる」から1月は「次第に減少していくとみられる」としている。その結果、日本の景気の先行きの見方としては10月の「持ち直していく」から1月は「持ち直しを続けるが、当面そのペースは緩やかなものに止まる」としている。この表現を見る限りにおいては二番底まで意識したような見方ではないものと思われる。

2010年01月、(4)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落している。先行きは、石油製品価格などの影響が薄れていくため、下落幅は縮小していくと考えられる。

2009年10月、(4)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給バランスが緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落幅が拡大しているが、今後は、石油製品価格などの影響が薄れていくため、下落幅を縮小していくと考えられる。

物価の見方については、10月の「下落幅が拡大している」が1月は「下落している」とやや変化はあったものの、先行きは下落幅は縮小していくと考えられるとの見方に変化はない。

2010年01月、(5)わが国の金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが続いている。企業の資金繰りは、中小企業を中心になお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている。わが国金融システムについては、内外金融資本市場が改善傾向を示し、景気も持ち直す中で、総じて安定性を維持している。ただし、国内の厳しい企業業績や雇用・所得環境のもとで、金融機関収益は回復力に乏しい展開が続くとみられる。こうしたことを踏まえ、金融システムの動向を引き続き注意深くみていく必要がある。

2009年10月、(5)この間、わが国の金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっている。CP・社債市場では、低格付社債を除き、良好な発行環境となっている。企業の資金繰りや金融機関の貸出態度については、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている。わが国金融システムについては、内外金融資本市場が概ね落ち着いて推移し、景気が持ち直しつつある中で、総じて安定性を維持している。ただし、海外金融システムには依然脆弱性が残り、厳しい企業業績や雇用・所得環境が続くもとで信用コストが増加を続ける可能性があることなどを踏まえると、先行きについては引き続き注意が必要である。

金融環境については、改善の動きが続き金融システムは安定性を維持しているとの見方に変化はない。先行きについては10月には海外金融システムの脆弱性の影響を指摘していたが、1月は国内の金融機関収益は回復力に乏しい展開が続くことの影響を指摘している。

2010年01月、(6)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題であると認識している。そのために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。

2009年10月、(6)日本銀行としては、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路へ復帰していくため、中央銀行として最大限の貢献を行っていく方針である。

最後のまとめに明らかな変化があった。10月は「当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ」の部分が「日本経済がデフレから脱却し」と「デフレ」という言葉が組み込まれた。さらに10月にはなかった「金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。」という一文が付け加えられている。政府のデフレ宣言に歩調を合わせるとともに、時間軸なども意識して超低金利政策を維持させていく考え方をあらためて強調している。
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by nihonkokusai | 2010-01-18 10:42 | Comments(0)
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