牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「2009年の債券相場を振り返る(7月から12月)」

7月1日に発表された日銀短観では、大企業製造業DIがマイナス48と予想ほどの改善とならず、大企業全産業の2009年度設備投資計画は9.4%減と前回から下方修正された。日銀の超低金利政策は当面継続されるとの見通しから中期債主体に買い進まれ、7月1日に2年債の利回りは、2006年1月以来の0.3%割れとなった。7月からの国債増発で最大の焦点となった7月2日の10年国債の入札は無難な結果となったものの、今後の国債需給への懸念は残り、現物債は長期債・超長期債の上値が相対的に重くなり、イールドカーブはスティープ化した。

7月2日に発表された6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が46万7千人の減少と事前予想を大きく上回る減少となり景気の早期回復期待が後退した。ニューヨーク原油先物市場では9日に一時60ドルの大台を割り込むなど大きく下落し、外為市場では高金利通貨に対して円が買い進まれるなど、世界的にリスク回避の動きが強まった。

日経平均株価は7月に入り、連日の下落となった。債券は買われ現物2年国債の利回りは2006年1月以来の0.230%に低下し、5年国債の利回りも0.650%と2005年9月以来の水準に低下した。10年国債の利回りも心理的な節目とみられていた1.3%を割り込んだ。

米国債券市場では7月10日に米10年債利回りは3.30%に低下していたが、その後上昇基調を強め15日には3.6%台をつけるなど大きく利回りは上昇した。米大手企業の四半期決算を受けて、景気回復期待が強まったことが背景にあった。

7月15日の日銀金融政策決定会合では企業金融支援特別オペを12月まで延長することなどを決定した。

衆院は7月21日午後の本会議で解散された。解散から選挙まで40日、さらに新政権の本格始動までの時間も考えると、かなりの政治の空白期間が生じるが、市場への影響は限られたものとなった。米国市場では、4~6月期の大手企業決算が予想を上回るものが多くなり、景気回復への期待感が強まった。

8月7日に発表された7月の米雇用統計では失業率が9.4%と予想に反し低下し、非農業雇用者数は前月比24.7万人減と減少幅は予想を下回った。米景気の底入れ観測が強まったことで、7日の米10年債利回りは3.85%に上昇した。

現物債は中期ゾーンには余剰資金を抱えた大手銀行などによる買いが入り、5年債利回りは8月27日に0.615%と2005年9月以来の水準に低下した。また、長期から超長期債には9月の国債の大量償還を控え、生保や年金による長期化入れ替えに伴う長期・超長期債への買いが入った。10年債は27日に1.295%まで買われ心理的な壁とみられた1.3%を割り込んだ。

8月30日の衆院選挙で民主党が大勝したが、市場はすでに民主党勝利は織り込み済みとみられ、選挙結果を受けての市場への影響は限定的となった。

世界的な景気回復を背景に投資家のリスク許容度が拡大し、ニューヨーク原油先物は70ドル台に、金先物は1000ドルの大台に乗せてきた。国際商品価格の上昇により、資源国の資金がドルから欧州通貨など高金利通貨に向かい、これによりドル売り圧力が強まった。

9月16日に鳩山政権が発足したが、このタイミングを狙って債券先物には海外投資家によるとみられる売りが入った。買いポジションの解消売りとみられた。

藤井財務相の円売りドル買い介入は安易に実施しないとの発言などを材料に、幅広い通貨に対して円買いが進み、9月25日にドル円は90円を割り込んだ。この円高と米株安を受けて週初9月28日の日経平均株価は一時7月24日以来の1万円の大台割れとなった。株安や米債高を背景に9月28日の債券先物は買いが先行し、139円40銭まで買い進まれた

9日に発表された8月全国消費者物価コア指数は前年同月比2.4%のマイナスと過去最大の下落となったが、ほぼ予想通りの数値となった。

10月1日に発表された9月の日銀短観では大企業製造業DIはマイナス33となり、市場の事前予想に近く、これによる相場への影響は限られた。

10月6日にオーストラリア準備銀行は政策金利を3.25%に引き上げた。当日の東京市場では影響は限定的となったが、この利上げをきっかけに景気回復期待が強まり、米国市場では株高・ドル安・債券安が進行した。

10月14日の米国市場では米企業の業績回復への期待感の強まりなどから、ダウは1万ドルの大台を回復した。これは昨年のリーマン・ショック後の世界的な経済金融ショックからの脱却を示す象徴的な出来事とも捉えられた。

来年度予算については一般会計の概算要求が最大95兆円程度と過去最大規模に膨らんだ。これにより赤字国債の増発観測による国債需給への懸念も出てきた。債券先物は10月13日に9月25日以来の139円割れとなった。現物債は長い期間の債券主体に売り圧力を強め、10年債利回りは1.3%台に乗せ、30年債の利回りは2.2%台に乗せてきた。

日本時間の11月2日の朝方、懸念されていたCITが破産法を申請との記事が伝わった

国債需給への懸念などをきっかけに10月上旬あたりから海外ファンドが債券の売り仕掛けをしていたものとみられ、また大手銀行も現物債を売却していたことも手伝って債券相場は下落基調となっていた。11月10日に10年債利回りは、1.485%まで上昇し1.5%に接近したが、藤井財務相の「長期金利上昇を危惧、財政悪化懸念の是正に努める」との発言などをきっかけに1.455%まで戻すなど、売り方も慎重姿勢となってきた。

11月16日に発表された7~9月期GDP一次速報値は、前期比年率プラス4.8%と市場予想を上回ったが、国内需要デフレーターが前年同期比2.6%下落と約51年ぶりの下落幅を記録した。政府は20日に公表する月例経済報告で約3年ぶりにデフレの表現を復活させる意向を示し、日銀が今後、国債の買い切りを増額するなど何らかの対応を迫られるのではないかとの観測も出てきた。10年債利回りは低下し18日に1.3%を割り込む。

相場のテーマが国債需給悪化からデフレに移り、20日の政府によるデフレ宣言により、日銀の金融政策にも影響を与える可能性があるとの見方も強まった。

26日にドル円は今年1月21日につけた87円10銭を割り込み、1995年7月以来14年ぶりの円高ドル安水準をつけた。そして27日の朝方にはドル円は一時85円割れ、ユーロ円も一時126円台をつけた。

さらにドバイ・ワールドが債務について返済延期を債権者に要請することを計画していると発表し、これを受けて欧州市場で債券が買われるなどしたこともあり、週末27日の債券先物は直近高値を更新した。

臨時の金融政策決定会合との発表を受け、12月1日の債券相場は急騰し、債券先物は一時74銭高の140円48銭まで上昇した。現物10年債利回りは1.195%と1.2%割れとなり、5年債も0.5%を割り込み、2年287回も0.2%割れ。また20年債利回りも2%を割り込む。 臨時の金融政策決定会合では、国債や社債、コマーシャルペーパーを担保に0.1%の固定金利で3か月程度の期間で10兆円規模の資金供給資金を供給する新たな仕組みを導入することを決めた。

2日に日銀は即日での1兆円の共通担保オペによる資金供給を通知するなど積極的に資金供給を行ったことで、特に中期債主体に買いが入り5年債利回りは3日に0.465%まで低下した。

ところが、12月4日に発表された米雇用統計で非農業雇用者数は1.1万人減と減少幅が大幅に縮小した。利上げが予想より早まるとの観測などから、米10年債利回りは3.47%に上昇した。これを受けて7日に10年債利回りは1.3%台に、5年債利回りは0.5%台に乗せてきた。

112月4日に発表された日銀短観では大企業製造業DIはマイナス24と3期連続の改善となったが、債券相場への影響は限定的であった。

ドバイの信用不安が一端後退し14日の債券先物は戻り売りに押され139円32銭まで下落した。しかし、中期債には銀行なの買いが入り、5年債利回りは87回が0.5%割れ、2年債利回りは0.160%と2005年9月以来の水準まで利回りが低下した。

18日の日銀の金融政策決定会合では中長期的な物価安定の理解の明確化し、ゼロ%以下のマイナスの値は許容していないことを示したことで、超低金利政策の長期化が意識され中期債主体に買い進まれた。

さらに日銀の白川総裁は18日の会見で、物価安定の理解について広い意味で時間軸効果があるとし、理解が浸透すれば金利形成に相応の影響があることを示した。これを受けて21日に5年87回債の利回りは先週末比-0.020%の0.430%に低下し、2005年7月以来の水準をつけた。

22日以降、米国債が下落基調となり米10年債利回りは3.8%台に上昇したことに加え、米株の堅調地合や円安傾向などを受けて、日経平均株価が24日に10500円台を回復するなど、米債安と株高が債券相場の上値を重くした。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-12-29 14:13 | 債券市場 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー