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「2009年の債券相場を振り返る(その1)」

1月20日に就任式を迎えるオバマ新米国大統領への期待などから、NY株式市場は上昇し2日にダウ平均株価は2か月ぶりに9000ドル台をつけた。この株高を受けて年初の米債は戻り売りに押され、米10年債利回りは12月31日に比べ0.15%上昇の2.37%に。

米債安などから2009年の債券先物は売り気配でのスタートとなり、12月30日比35銭安の139円77銭で寄り付いた。昨年末にかけ長期金利は1.155%まで低下したが、その反動売りも入ったものとみられる。特に年末に向けて日米ともに大きくフラット化が進んでいた反動から、現物債は超長期ゾーンを中心に利回りは上昇し、年末1.660%まで利回りが低下した20年債は9日に1.9%台をつけた。10年債利回りも10年入札のあった8日に1.325%と1.3%台に乗せた。その後、米株安や米債高から債券先物は昨年12月30日以来の140円台を回復した。1月15日にECBは定例理事会で政策金利を0.5%引き下げ年2.0%とすることを決定した。

オバマ新大統領の就任式が行なわれた1月20日の米株式市場は米景気の先行きや財政の悪化、さらに金融危機への懸念の再燃などから急落の展開となった。米債も長期債主体に需給への懸念から下落した。

1月22日に発表された日銀の展望レポートの中間レビューでは実質GDPに関して2008年度で-1.8%、2009年度で-2.0%と大幅に下方修正した。また、日銀は3兆円のCPおよびABCPの買入を1月30日から実施することに加え、期間別の長期国債買入れに関しても発表した。また、2月3日の定例の政策委員会で、日銀は銀行保有株の買い取りを再開することを決めた。

2月4日にTBとFB統合後初めて入札された国庫短期証券(第一回)の最高落札利回りは0.3102%となった。

2月に入り、米債は需給悪化懸念で上値も重くなり、円債も短期国債市場への需給悪化懸念が中短期ゾーンの売りにつながった。また、長期や超長期ゾーンも決算を睨んでの投資家の売りが入り、10年298回利回りは一時1.30半ばに上昇し、20年債利回りも1.9%台に上昇した。しかし、その後、日銀の追加緩和への思惑での手伝い、10年債利回りは1.2%台半ばに利回りが低下し、債券先物は株先売り・債先買いの動きも入り、2月12日に139円台を回復した。

3月5日にECBとBOEはそれぞれ政策金利を0.5%引き下げた。BOEは量的緩和策を導入し英国債の買入を行なうことを発表した。

債券先物は3月10日に中心限月が6月限に移行した。ロングロールの動きは限定的となり、これまでの中心限月交代時に見られていたような異常な値動きは今回は影を潜めた。

3月13日から14日にかけてロンドンで開催されたG20では経済成長を回復するためあらゆる手段を取るとし、その一環として17日から開催される日銀の決定会合とFOMCで、それぞれ国債の買い入れに関して議論される見通しと伝えられた。

実際に3月18日の日銀の金融政策決定会合で、長期国債の買い入れを月1.4兆円から1.8兆円に大きく引き上げた。FRBも18日のFOMCで向こう半年間に最大3000億ドルの長期国債を購入することを決定。これを受けて米10年債利回りは前日比-0.48%の2.53%に急低下し、債券先物も再び139円台に。

3月23日にガイトナー米財務長官、官民投資プログラムと呼ぶ不良資産買い取り計画を正式に発表し、23日の米株式市場ではダウが497ドル高と今年最大の上昇となった。米債は米株の上昇などを受けて19日から25日にかけて5営業日続落となり、円債は米債安と株高を受けて下落基調となり、債券先物6月限は27日には一時138円近くまで下落した。現物は10年債利回りが1.3%台に上昇した。

GMとクライスラーの破綻懸念から米株が下落し、これを受けて債券先物は31日に138円40銭まで買われる場面があったが、31日に麻生首相が追加経済対策の検討を指示し、追加経済対策の財源には赤字国債の発行も辞さずと発言したことが伝えられ、イブニングセッションで債券先物は138円を割り込んだ。

4月1日発表された3月の日銀短観は、大企業製造業DIがマイナス58とオイルショック後の1975年5月のマイナス57を超えて過去最悪となった。ある程度の悪化を市場では織り込んでおり、むしろ3か月後6月の予想値がマイナス51となり約3年ぶりに改善見通しとなったことから、景気回復への期待感が強まった。

米国でも景気回復を示す経済指標も出てきたことから、株式市場は上昇基調を強め、4月2日に米ダウは一時8000ドル台をつけ日経平均も3日に9000円近くまで上昇した。債券先物は138円を割り込み、昨年11月以来続いてきた138円から140円近辺でのレンジ相場から下に抜けた。

4月6日に与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は、追加経済対策についてGDP比2%を超える真水規模とするよう首相から指示があったと述べたと伝えられ、これを受けて国債需給への懸念が債券相場の上値を押さえ、債券先物は137円を割り込み、10年債利回りは1.5%に接近した。追加経済対策にともなう国債の追加発行の総額は17兆円程度となった。

4月13日に発表されたゴールドマン・サックスの決算や、16日のJPモルガンチェースの決算が市場予想を上回るなどしたことから米株は上昇し、16日にダウ平均は8100ドルの大台を回復した。一時ドル円が100円台に乗せるなど円安進行も手伝って、日経平均は9000円の大台を回復する場面もあった。

政府は4月27日の臨時閣議で2009年度補正予算案を決定し、財源として建設国債を7兆3320億円、赤字国債を3兆4870億円、さらに財投債の6兆1000億円を含め、国債合計で16兆9190億円追加発行されることとなった。これに伴う今後の国債発行計画は、ほぼ市場のコンセンサス通りとなった。しかし、今年度の税収見積もり修正などによる年末に向けてのさらなる増発も確実視されており、実際に7月以降とみられる国債入札動向を見極めたいとの投資家も多く、国債への需給懸念が債券相場の上値を抑えた。債券先物中心限月で136円50銭から137円50銭のレンジ内での上げ下げとなり、長期金利も1.4%から1.5%のレンジ内での方向感に乏しい展開に。

18日に格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本国債の格付けをAa3から引き上げたが、21日には格付会社S&Pが英国債の格付見通しをネガティブに引き下げ、これを受け米国債の格下げの可能性が意識された。
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by nihonkokusai | 2009-12-29 09:45 | 債券市場 | Comments(0)
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