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「1日の臨時の決定会合の背景」

 昨日の東京市場は、まず日銀が臨時の金融政策決定会合を開催との報道にびっくりした。いったい何をするのか、藤井財務相など政府関係者は量的緩和策を期待する発言をしており、今回はどう考えても、政府と歩調をあわせるための日銀の動きと見ざるを得なかった。

 日銀の白川総裁は30日の名古屋での講演で、突然、デフレという言葉を使っており、政府と何らかの刷りあわせがあったのではないかとも憶測された。今朝の日経新聞に、この一連の動きの背景が報じられている。

 政府がデフレを宣言した11月20日、日銀の金融政策決定会合が開催されたが、日銀は景気判断を上方修正させた。日銀にはデフレを宣言した政府と距離を置こうとの意見が多かったそうである(日経新聞)。

 しかし、26日には今年1月21日につけた87円10銭を割り込み一気に86円台に突入し1995年7月以来の水準をつけた。ドバイショックも加わって、27日にドル円は一時85円割れとなった。

 この急激な円高とそれを受けた株安に対し、政府は日銀に理解を示す藤井財務相と古川元久、大塚耕平の両内閣副大臣らが、日銀との調整役となり、27日に藤井財務相と白川総裁が都内で極秘会談を行なった(日経)。

 29日には首相官邸で、12月2日の首相と日銀総裁の会談でデフレ克服での強調で足並みを揃える段取りを確認したそうで、それが30日の日銀総裁による突然のデフレ発言に繋がったとみられる。

 さらに、日銀には金融面から経済を下支えるようにと、政府からもう一押しもあり、政府との対立が決定的となるのを回避するため、講じた政策が昨日の新オペということに。

 藤井財務相は昨日の午前中に、日銀が追加緩和すれば効果ある、量的緩和ということなら経済効果あると発言していたが、日銀が臨時の決定会合を開いてなんらかの量的緩和策をとるであることを知っていたような発言であった。

 「量的緩和策」という言葉から2001年3月から2006年3月まで続いた量的緩和策と同様のリザーブ・ターゲットへの移行もあるかと個人的には見ていたが、実際に昨日、発表されたものは、国債や社債、CPを担保に0.1%の固定金利で3か月程度の期間で10兆円規模の資金供給資金を供給する新たなオペであった。日銀の白川総裁はその後の会見で広義の量的緩和策と発言した。

 今回の円高の背景のひとつは、LIBORの6か月物の金利まで日米逆転となっていたことも指摘されており、国債も担保に出来て10兆円規模の新オペで、ターム物とよばれる3か月や6か月などやや長めの金利の低下を促すことも期待できる。間接的ながら円高に対応し、企業金融支援オペと違って国債や地方債も担保にできることで国債などの保有をしやすくなる利点もある。そして、政府に日銀が協力してデフレや円高に対応する姿勢を示したことも評価できる

 しかし、市場はもう少し踏み込んだ政策を期待していたこともあり、昨日の債券先物は140円47銭で引けていたが、イブニングセッションでは139円99銭と大きく下落するなど乱高下する展開となった。

 これまで、国債管理政策を担当する財務省、そして金融政策を担当する日銀ともに市場に対しては細かく神経を使い、国債需給や金融政策で市場が乱高下するような事態に陥らないように配慮してきたと思う。しかし、民主党政権となり、政府による財政規律への懸念や為替政策への対応の不透明感により、金融市場が大きく荒れ出してきている。そして今回は円高株安といった相場に促されるような対応をとったことはむしろ気掛かり材料ともなる。
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by nihonkokusai | 2009-12-02 09:42 | 日銀 | Comments(0)
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