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「量的緩和策への回帰もありうるか」

 1日の日経新聞では、政府が2009年度第2次補正予算に盛り込む追加経済対策の大枠を固めたと伝えた。地球温暖化対策として9000億円程度を投じ、中小企業の支援では1兆円の財政支出をするほか、信用保証枠6兆円、緊急融資枠4兆円をそれぞれ積み増すなど、事業規模は10兆円を超す見通し。

 日経新聞によると真水部分は3兆円程度に抑え、事業規模を全面に押し出して大型対策に見せる狙いだとか。債券市場にとり気になるのは、これに伴う国債の増発の行方だが、藤井財務相は、2次補正予算積み増し分の財源について、財政健全化に反しないようにすると述べ、赤字国債増発はせず、予算の使い残しや特別会計積立金などの埋蔵金で賄う考えを示した、と時事通信が報じている。このため、追加経済対策に絡んでの国債増発については、現状、それほど懸念しなくてもよさそうである。

 そして、鳩山首相と白川日銀総裁の会談は、明日2日に行われる予定のようである(毎日新聞)。政府側は菅直人副総理兼経済財政担当相、平野博文官房長官が出席する予定。これは政府と日銀の定期会談の第一弾という位置づけのようである。

 31日に日銀の白川総裁は名古屋での講演で、金融緩和と金融市場の安定確保の両面で、デフレ克服のために最大の努力を行なっていくと述べ、初めて、デフレという言葉を使い、政府のデフレ宣言と歩調を合わせた格好となった。さらに政府との間で意思疎通図るのは大事なこととも白川総裁は発言していた。

 2日の鳩山首相と白川総裁の会談において、デフレへの対策として日銀にも協力が求められるものとみられる。昨日の白川総裁の発言にも景気の二番底を意識したものもあり、どうやら日銀も何かしらの対応策を講じる可能性が強まったと言える。1日に藤井財務相は「日銀が追加緩和すれば効果ある」と追加緩和策がありうる可能性を暗に示唆した。

 考えられる手段としては、時間軸の強化や、国債の買い入れの増額といった可能性があるが、これらでは単発的なものとなってしまう可能性がある。このため日銀は、再び日銀の当座預金残高を目標とする量的緩和策を行なう可能性があるのではなかろうか、

 2001年3月から2006年3月まで続いた量的緩和策の効果について日銀は、量的緩和政策から抽出された最も大きな緩和効果は、将来にわたる予想短期金利の経路に働きかけるものであったと指摘。また、金融機関の資金繰り不安を回避することによって金融市場の安定化に貢献したとの分析を行なっている。

 ただし、その実質的な効果については、日銀内部でも意見は分かれるところであろう。ところが、政府を含めて「外部」へのアナウンスメント効果を考えるとかなりの効果をもたらすことが考えられる。

 日銀の準備預金残高を再び目標にしその数値を果断に引き上げて、緩和姿勢を内外にアピールすることで、日銀への外部評価は引き上げられる。それを実行したのが就任したばかりの福井前日銀総裁であった。政府との意思疎通を図る姿勢などを見せていたこともあり、就任直後の福井日銀総裁の評価は世界的にも上がった。

 しかし、福井前日銀総裁の用意周到なところは、日銀の準備預金残高の目標値を引き上げた際に、国債買入の額については一切変更していなかったところである。日銀の準備預金残高については、いつでも短期間に引き下げられることは2006年3月の量的緩和政策の解除の際を見ても明らかである。財政悪化が意識されている中、国債買入の減額などはまず実行は不可能である。今回もその実質的な効果についてはさておき、内外のマインドに働きかけるという効果を狙って、量的緩和政策への回帰はありうるのではなかろうか。ただし、国債の買い入れがセットになる可能性はありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-12-01 09:20 | 日銀 | Comments(0)
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