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「国債増発により出口が塞がれる懸念」

 日銀はここにきて足元の景気判断を上方修正させている。16日に発表された地域経済報告(さくらレポート)において、景気判断を「全体として持ち直しの動きがみられる」とし前回の「下げ止まりつつあるものの、引き続き厳しい状況にある」から上方修正された。また、すべての地域で判断が引き上げられた。

 景気が最悪期を脱しつつあるとしても、政府の経済対策の効果も大きく長続きするかどうかは不透明であり、二番底を探る動きとなる可能性も否定はできない。また方向としては底打ちしてきたとはいえ、生産等の絶対的な水準はまだまだ低い。このため、日銀の出口戦略をここで議論するのも時期尚早であることは重々承知している。しかし、中国やインド、ブラジルなどの新興国の経済成長を原動力に、米国経済を含めて世界経済がこのまま回復基調を継続する可能性がないとも言えないはずである。

 このため来年以降、日銀があらためて非常時の金融政策からの出口を探る動きを強めたとしてもおかしくはない。実際にCPや社債の日銀の買い入れは年内で停止される可能性が高く、また、企業金融支援特別オペも早ければ年内に打ち切られる可能性も出てきている。もちろん企業金融支援特別オペが打ち切られても、共通担保オペなどを増やすなど日銀は等分の間は潤沢な資金供給を継続させよう。

 さすがに超低金利政策を変更するには、かなり慎重になってくると思われる。それでも景気回復に自信を深めれば、日銀プロパーである白川総裁を中心に、超低金利政策解除に向けて一気に舵を切ってくる可能性がある。

 しかし、その際に障害となりそうなのが国債需給動向である。2009年度の国債発行額は初めて50兆円台に拡大し、2010年度も44兆円程度の国債が発行される可能性がある。

 現在は日銀の超低金利政策の継続やデフレ圧力の強まり、景気悪化による設備投資の減少などによる貸し出しなどの伸び悩みなどにより、国債へと資金は向かいやすくなっている。しかし、国債需給にとっての好環境がこのまま続くという保証があるわけでもない。

 もし、国債の需給への懸念が強まれば、日銀に対して国債買入の増額などを求める声が強まる可能性がある。以前に日銀出身である民主党の大塚耕平氏(現内閣府副大臣)が政府と中央銀行はアコード(政策協定)を結ぶ必要があるとの発言もあったぐらいである。実質的な金融引き締めに転換する際の政府により中央銀行に対してのプレッシャーは今に始まったことではなく、ある意味長い歴史を伴っているものでもある。

 日銀の金融政策を決定する政策委員は、現在1名の審議委員が欠員となっている。12月2日に任期満了となる水野審議委員の後任人事も含めて、民主党がどのような日銀人事を行なってくるのかも注目されよう。
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by nihonkokusai | 2009-10-20 11:16 | 日銀 | Comments(0)
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