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「支店長会議総裁開会挨拶要旨より」

16日に開催された日銀支店長会議の総裁開会挨拶要旨が日銀のホームページにアップされた。今回の総裁開会挨拶要旨と前回7月に開催された際のものと比較してみたい。

(10月)昨年秋以降同時かつ急速に悪化した世界経済は、このところ改善の動きが見られている。

(7月)年秋以降、米欧の金融システムや国際金融資本市場の動揺が深刻化する中、世界経済は同時かつ急速に悪化したが、最近では、金融・実体経済の両面で悪化テンポの鈍化あるいは下げ止まりの動きがみられる。

景気に対しての基調判断は7月の「下げ止まり」との表現から「このところ改善の動きが見られている」に大きく改善させている。

(10月)わが国の景気は、持ち直しつつある。公共投資が増加を続けているほか、内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産も増加を続けている。設備投資の減少ペースは緩やかになってきている。一方、厳しい雇用・所得環境が続く中で、個人消費は全体としては弱めの動きとなっており、住宅投資は減少している。

(7月)わが国の景気については、大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある。企業収益が大幅に悪化するもとで、設備投資は大幅に減少している。また、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、個人消費は弱まっており、住宅投資も減少している。一方、輸出や生産は、大幅に落ち込んだあと、持ち直しに転じつつある。この間、公共投資は増加している。

7月には、輸出や生産は大幅に落ち込んだあと持ち直しに転じつつあるとしていたが、10月には内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し「とりわけ新興国の回復」などを背景に輸出や生産も増加を続けているとしており、特に中国向けなどの輸出の回復が今回の景気回復に大きな影響を与えてたことを強調している。

(10月)先行きについては、国内民間需要は、厳しい収益環境や雇用・所得環境が続くもとで、引き続き弱めに推移する可能性が高い。一方、海外経済の改善が続くことなどから、輸出や生産は増加を続けるとみられる。また、公共投資も、当面は増加を続けると見込まれる。このため、わが国の景気は、持ち直していくと考えられる。

(7月)先行きについては、国内民間需要は、厳しい収益環境が続き、雇用・所得環境も厳しさを増すもとで、引き続き弱まっていく可能性が高い。一方、輸出や生産は、内外の在庫調整の進捗を主因に、持ち直しを続けるとみられる。この間、公共投資も増加を続けると見込まれる。このため、わが国の景気は、当面は下げ止まりの動きが次第に明確になっていく可能性が高い。

個別の先行き見通しについてはあまり大きな変化がない。しかし、総括判断は「当面は下げ止まりの動きが次第に明確になっていく可能性が高い」から「持ち直していくと考えられる」に上方修正されている。

(10月)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給バランスが緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落幅が拡大しているが、今後は、石油製品価格などの影響が薄れていくため、下落幅を縮小していくと考えられる。

(7月)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して足もと低下しており、今後は、需給バランスの悪化も加わって、マイナス幅を拡大していくとみられる。

消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については7月の見通しのようにマイナス幅を拡大してきたが、今後については石油製品価格などの影響が薄れるため「下落幅を縮小していく」としている。

(10月)この間、わが国の金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっている。CP・社債市場では、低格付社債を除き、良好な発行環境となっている。企業の資金繰りや金融機関の貸出態度については、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている。

(7月)この間、わが国の金融環境をみると、CP・社債市場の発行環境が一段と改善してきているほか、銀行貸出は、大企業向けを中心に高めの伸びを続けている。資金繰りや金融機関の貸出態度については、悪化に歯止めがかかる動きがみられるものの、なお厳しいとする先が多い。

CP・社債市場の発行環境については「一段と改善」から「低格付社債を除き、良好な発行環境となっている」としており、また金融機関の貸出態度については、7月の「なお厳しいとする先が多い」との表現を残しながら10月は「改善の動きが続いている」としている。

(10月)わが国金融システムについては、内外金融資本市場が概ね落ち着いて推移し、景気が持ち直しつつある中で、総じて安定性を維持している。ただし、海外金融システムには依然脆弱性が残り、厳しい企業業績や雇用・所得環境が続くもとで信用コストが増加を続ける可能性があることなどを踏まえると、先行きについては引き続き注意が必要である。

(7月)わが国金融システムについては、内外金融資本市場における緊張感が和らいでいることなどを背景に、全体としては落ち着きを取り戻しつつある。ただし、金融機関の2008年度決算は全体として最終赤字となり、金融機関の間の経営体力のばらつきが拡大しているなど、金融機関経営の動向については、引き続き注意が必要な状況にある。

国内金融システムについては、「落ち着きを取り戻しつつある」から「安定性を維持している」と安定してきたことを示し、7月の「金融機関の間の経営体力のばらつきが拡大」との表現がなくなり、10月には「信用コストが増加を続ける可能性」を指摘している。

(10月)日本銀行としては、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路へ復帰していくため、中央銀行として最大限の貢献を行っていく方針である。

(7月)日本銀行では、昨年秋以降、金融政策面からわが国経済を支えるため、政策金利の引き下げ、金融市場の安定確保、企業金融円滑化の支援という3つの柱を中心に、様々な措置を実施してきた。また、金融システムの安定を図るため、金融機関保有株式の買入れを再開したほか、金融機関向け劣後特約付貸付の供与を実施している。日本銀行としては、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路へ復帰していくため、中央銀行として引き続き最大限の貢献を行っていく方針である。

最後のまとめに際して、7月はこれまで行なっていた日銀の政策を強調していたが、10月はその部分は削除されている。危機意識が7月に比べてだいぶ後退してきたとの表れとも思われる。
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by nihonkokusai | 2009-10-19 10:08 | 日銀 | Comments(0)
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